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「1年内ワクチン難しい」日本ノーベル賞学者の直球発言に慌てた安倍氏

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

iPS細胞を発見した功労で2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥京都大教授。山中教授は2010年から京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の所長を務めている。[写真 CiRA]

「五輪は世界中から選手が来て、世界中から観客が来る、すごい人間の大移動が起こる大会ですから、これを可能にするだけのワクチン量を1年で準備できるかどうかというと、研究者として率直に、かなり幸運が重ならない限り、ワクチンだけでは難しいんじゃないかなと思います」

iPS細胞研究で2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が6日夜、安倍晋三首相に直球を飛ばした。

インターネットメディアが首相官邸の安倍首相と京都大学の山中教授を同時中継して開催した対談番組でのことだった。


山中教授は感染症専門家ではないにも関わらず、科学者の立場から自身のサイトに関連の意見を掲載し、新型コロナウイルス感染症新型肺炎)に対する立場を積極的に発信している。

山中教授の五輪関連発言は来年7月に1年延期になった東京五輪と関連し、安倍首相が「(成功的な開催のためには)科学者の皆さんの力が大変いま必要とされている」とし、治療薬とワクチンの開発を強調した直後に出てきた。

山中教授は1年以内に十分なワクチンが用意されることは難しいとしながら「ワクチンより、以上に期待してるのは、やはり薬」とし「新たな薬の開発はもう絶対間に合わない」とした。あわせてアビガンなど既存薬に対する早期承認を安倍首相に注文した。

山中教授は「私は(五輪が)最初、2年後になるのか1年後になるのかと思っていて、1年後に決まったときに、これは研究者に(治療薬とワクチン開発という)すごい宿題を与えられたと思った」とも話した。

安倍首相が東京五輪について「本当に感動できる。安心して観戦できる。そういう大会にしていきたい」と意欲を示した反面、山中教授は2年ではなく1年延期になったことに対して懸念を示した。

他国に比べて明らかに貧弱な日本のPCR検査態勢に対しても2人の考えの間には隔たりが大きかった。安倍首相は「検査能力を1日2万件まで引き上げたが、これを活用できる態勢を作らなければならない」と話した。

現在、日本の検査件数は多くて一日7000件程度だ。これを2万件まで引き上げなければならないという主張だった。

反面、山中教授は「(検査能力を)今の10倍、100倍に引き上げて(感染者を確実に)隔離していく。これによって経済活動の再開がかなり促進されるのではないか」と強調した。

あわせて「大都市では症状があっても1週間くらい検査が受けられない。速やかに検査を受けられるようにするには(安倍首相が話した)2万件では足りないかもしれない」として検査能力の引き上げを促した。

安倍首相が大学生に対する政府の資金支援政策を広報すると、山中教授は「(学部生だけでなく)苦境に立たされている大学院生の存在もぜひ頭に入れてほしい」と訴える場面もあった。

すると安倍首相は「大学院生…あの…大学院生は…」とやや慌てる様子を見せた後、「あくまでも学部(の話)ということで、今後、将来の課題として大学院生に対しても考えていきたい」と述べて明言を避けた。

この日の対談で、安倍首相は大きな逆風を受けた「布マスク2枚全国民配布」政策について「(配布によって)たまっていた(マスクの)在庫も随分市場に出て、(マスクの)価格も下がってきたという成果があった」と自画自賛した。



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