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【社説】対症的な後手防疫、このままではいけない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ソウル市が昨日、慌ててルームサロンやナイトクラブなど442店舗に対する営業中止命令を出した。ソウル江南(カンナム)の店の従業員1人が新型コロナ陽性判定を受けたことが伝えられ、強硬措置を取ったのだ。後手の対処であり、原則も一貫性もない。

大半の国民が自発的に社会的距離を守り、日常生活の不便に耐えている中、この感染者と接触した人が118人にのぼるなどルームサロンが依然として盛業中だったという事実にまず驚く。密閉された室内空間で集団感染が強く懸念されるが、他人に対する配慮なく店を出入りした人は道徳的に批判を受けるしかない。その一方では、政府と自治体が目の前の防疫の穴を放置しながらただ幸運を望み、感染者が出てきてから対応する原則のない防疫をいつまで続けるつもりなのか問わざるを得ない。

政府は新型コロナの感染拡大を防ぐとして小・中・高校の始業を遅らせ、宗教・室内体育施設などに対して運営の中断を勧告する高強度の「社会的距離」を2週間延長施行しながらも、ルームサロンはもちろん、週末ごとにナイトクラブなどにマスクも着用しない若者が集まる状況を眺めていた。昼間に学校や職場に行かないようにしながら、夜間にクラブやルームサロンへ行くことは止めなかった。防疫指針を遵守しているかどうか随時点検したと言うが、「(ルームサロン・クラブなどは)業界の性格上、密接接触が生じるしかない」というソウル市の説明のように、その間、感染者が出ないのがおかしな状況だった。にもかかわらず、夜の店を媒介に感染者と2次、3次感染者まで出てきてから営業中止命令を出した。


このレベルなら防疫を運に任せること以外には説明する言葉がない。防疫の基本原則はもちろん、公平性の原則にも背くという不満が出てくる理由だ。ソウル市は同じように多数が集まる環境だが、感染者が全く出ていない一部の教会に早くから集会禁止令を発動し、現場礼拝自体を阻止した。

このように一貫性のない防疫行政が繰り返されると、少なくない市民が油断して、結果的に全国民が感染の危険に露出する副作用をもたらす。実際、当局の勧告にもかかわらず復活節を控えて現場礼拝をする教会はむしろ増え、さらにある遊園地は学校にも行かない中高校生をターゲットに「制服を着て訪問すれば半額割引」のイベントまで始める状況だ。海外から流入する感染者が急速に増えている中、誘惑を振り払う成熟した市民意識にだけ期待するこうした安易な対応では、首都圏の大規模な集団感染事態を招きかねない。いっそのこと米国や欧州のように短期間でも社会全体が強力な社会的距離を施行し、これ以上の悪化を防ぐべき時だ。



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