1997年の東アジア通貨危機、2008年のグローバル金融危機、2020年の新型コロナウイルス感染症危機…。
経済全般に衝撃を与える突発悪材料を意味するブラックスワンがまた出現した。カギは過去の2回と同じく今回の危機もうまく乗り越えることができるかだ。しかし韓国経済の状況は以前と異なる。物価と金利、成長率ともに低い「3低」局面だ。今回の衝撃をきっかけに日本型長期不況に陥るおそれがあるという指摘が出ている。新型コロナによる複合不況危機を警戒しなければいけない理由だ。
◆過去の危機とどう違うのか
韓国経済に危機が迫った際、これをどれほど迅速に解決できるかを左右する指標は経済成長率だ。投資や消費が早期に回復し、衝撃で後退した経済が正常軌道に戻ることを意味するからだ。
韓国経済は通貨危機直前まで年間6-8%の国内総生産(GDP)増加率を継続した。1998年に-5.1%に急落しても翌年は11.5%、200年は9.1%という高い経済成長率で危機を乗り越えた。グローバル金融危機発生直前の2年間も韓国は5%台の成長率だった。金融危機の悪影響で2009年に0.8%にとどまった成長率は2010年には6.8%に上昇した。
しかし昨年の成長率は2.0%にすぎなかった。20年以上にわたり世界経済の成長エンジンの役割をしてきた中国経済の成長ペースが落ちているうえ、米中貿易紛争が重なった結果だ。それだけ危機以降の回復速度も落ちるしかない。
「マイナス物価」の懸念が出るほど物価上昇率が低下している点も悪材料となる。消費および雇用が冷え込んでいる結果だ。2018年に1.5%だった物価上昇率は昨年0.4%まで落ちた。通貨危機が始まった1997年は4.4%、2008年は4.7%だった。輸出および投資などと共に景気の重要な軸である消費が過去と比較して成長を牽引するのが難しい。
政策金利が低い点も危機対応能力を落とす要因だ。金利が相対的に高い時期は利下げ幅が広く、流動性供給効果が大きい。1999年の政策金利は年4.75%、2008年の政策金利は年5.0%だった。成長率が落ちた2009年には金利を年2.0%まで引き下げて市場に流動性を供給した。韓国銀行(韓銀)は16日、政策金利を年1.25%から年0.75%に引き下げた。さらなる利下げの余地は小さい。
◆危機の性格も異なる
もちろん今回の新型コロナ経済危機は過去の2度の危機とは構造的に異なる。外貨準備高が減り、企業の過剰負債などに対する国際信頼度が低下した1997年の通貨危機は経済システム全般の問題だった。サブプライム住宅ローン問題でグローバル金融機関が連鎖倒産した2008年の金融危機もシステムに起因する問題だった。
新型コロナ危機は従来の経済および金融システムの外側で発生した非経済的衝撃という点で根本的に異なる。新型コロナの拡大による経済活動の萎縮で生産と消費指標が悪化しているが、まだシステム自体の危機にはつながっていない。こうした点で新型コロナ危機は、米国のテロとの戦争を触発して世界経済に不確実性をもたらした2001年の米同時多発テロと似ているという指摘もある。ウリィ金融研究所のキム・ジンソン本部長は「構造的なリスクが原因だった過去の危機とは区分すべき」とし「伝染病でグローバル経済が同時多発的に打撃を受ける前代未聞の事態という不確実性が経済を萎縮させている」と分析した。
新型コロナの悪影響がどれほど長引くかによって今回の危機もグローバル金融危機のようなシステム危機に広がるおそれがあるという指摘も出ている。KTB投資証券のキム・ハンジン首席エコノミストは「新型コロナで内需が悪化し、中国建設業界の不良債権問題などで資産市場のバブルが消え、金融システム危機に転換する余地が大きい」とし「新型コロナが早期に終息しても経済への悪影響は時間を置いて表れるだろう」と述べた。
経済全般に衝撃を与える突発悪材料を意味するブラックスワンがまた出現した。カギは過去の2回と同じく今回の危機もうまく乗り越えることができるかだ。しかし韓国経済の状況は以前と異なる。物価と金利、成長率ともに低い「3低」局面だ。今回の衝撃をきっかけに日本型長期不況に陥るおそれがあるという指摘が出ている。新型コロナによる複合不況危機を警戒しなければいけない理由だ。
◆過去の危機とどう違うのか
韓国経済に危機が迫った際、これをどれほど迅速に解決できるかを左右する指標は経済成長率だ。投資や消費が早期に回復し、衝撃で後退した経済が正常軌道に戻ることを意味するからだ。
韓国経済は通貨危機直前まで年間6-8%の国内総生産(GDP)増加率を継続した。1998年に-5.1%に急落しても翌年は11.5%、200年は9.1%という高い経済成長率で危機を乗り越えた。グローバル金融危機発生直前の2年間も韓国は5%台の成長率だった。金融危機の悪影響で2009年に0.8%にとどまった成長率は2010年には6.8%に上昇した。
しかし昨年の成長率は2.0%にすぎなかった。20年以上にわたり世界経済の成長エンジンの役割をしてきた中国経済の成長ペースが落ちているうえ、米中貿易紛争が重なった結果だ。それだけ危機以降の回復速度も落ちるしかない。
「マイナス物価」の懸念が出るほど物価上昇率が低下している点も悪材料となる。消費および雇用が冷え込んでいる結果だ。2018年に1.5%だった物価上昇率は昨年0.4%まで落ちた。通貨危機が始まった1997年は4.4%、2008年は4.7%だった。輸出および投資などと共に景気の重要な軸である消費が過去と比較して成長を牽引するのが難しい。
政策金利が低い点も危機対応能力を落とす要因だ。金利が相対的に高い時期は利下げ幅が広く、流動性供給効果が大きい。1999年の政策金利は年4.75%、2008年の政策金利は年5.0%だった。成長率が落ちた2009年には金利を年2.0%まで引き下げて市場に流動性を供給した。韓国銀行(韓銀)は16日、政策金利を年1.25%から年0.75%に引き下げた。さらなる利下げの余地は小さい。
◆危機の性格も異なる
もちろん今回の新型コロナ経済危機は過去の2度の危機とは構造的に異なる。外貨準備高が減り、企業の過剰負債などに対する国際信頼度が低下した1997年の通貨危機は経済システム全般の問題だった。サブプライム住宅ローン問題でグローバル金融機関が連鎖倒産した2008年の金融危機もシステムに起因する問題だった。
新型コロナ危機は従来の経済および金融システムの外側で発生した非経済的衝撃という点で根本的に異なる。新型コロナの拡大による経済活動の萎縮で生産と消費指標が悪化しているが、まだシステム自体の危機にはつながっていない。こうした点で新型コロナ危機は、米国のテロとの戦争を触発して世界経済に不確実性をもたらした2001年の米同時多発テロと似ているという指摘もある。ウリィ金融研究所のキム・ジンソン本部長は「構造的なリスクが原因だった過去の危機とは区分すべき」とし「伝染病でグローバル経済が同時多発的に打撃を受ける前代未聞の事態という不確実性が経済を萎縮させている」と分析した。
新型コロナの悪影響がどれほど長引くかによって今回の危機もグローバル金融危機のようなシステム危機に広がるおそれがあるという指摘も出ている。KTB投資証券のキム・ハンジン首席エコノミストは「新型コロナで内需が悪化し、中国建設業界の不良債権問題などで資産市場のバブルが消え、金融システム危機に転換する余地が大きい」とし「新型コロナが早期に終息しても経済への悪影響は時間を置いて表れるだろう」と述べた。
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