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「世界初の粒子状物質観測衛星」という韓国の衛星、その真実は?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

静止軌道衛星「千里眼2B号」が韓国時間19日に仏領ギアナで打ち上げられる。衛星は今後3万6000キロメートル上空で東アジア地域を観測し、粒子状物質の移動、赤潮、緑潮現象を盛り込んだデータを送ることになる。写真は千里眼2B号の開発過程の様子。[写真 航空宇宙研究院]

韓国の国産静止軌道衛星「千里眼2B号」が韓国時間19日午前、仏領ギアナ宇宙センターから打ち上げられる。韓国航空宇宙研究院によると、千里眼2Bは世界初の静止軌道粒子状物質・赤潮観測衛星だ。韓半島(朝鮮半島)と東アジア地域の大気環境、韓半島周辺の赤潮・緑潮など海洋環境を観測するのが主目的だ。航空宇宙研究院は粒子状物質などの移動経路を追跡して韓国の大気環境に対する国外影響を科学的に分析し、韓国の大規模粒子状物質発生地域を把握して集中的に管理すると具体的に明らかにしている。だが科学界の一部では高度3万6000キロメートルの静止軌道を回る衛星がマイクロメートル単位の粒子状物質を監視するのは理屈に合わず、展示行政の典型として批判したりもする。千里眼2B号をめぐる疑問をQ&A形式で解いてみる。

(1)粒子状物質をどのように観測するのか

今回の衛星には大気中の微量気体を測定できる超精密光学超分光器が搭載された。「粒子状物質などを観測する」と表現したが、実際は大気中の粒子状物質を誘発する20種類ほどの大気汚染物質に対する情報を生産することだ。環境部が衛星から伝えられたデータを受け取り分析すれば粒子状物質の移動経路を追跡できるという論理だ。粒子状物質を直接観測するものではない。


(2)観測をなぜ高度3万6000キロメートル静止軌道でするのか。詳しく見るには1000キロメートル以下の低軌道が有利なのではないか

より正確な環境監視のためには低軌道が有利なのが事実だ。だが低軌道では衛星の速度が地球の自転より速いため1カ所にとどまることができず、常時粒子状物質を観測するには無理がある。だからと米国など宇宙先進国のように数十個数百個で構成された群集衛星を低軌道に打ち上げるには韓国は経済力も技術もまだ足りない。世界初の静止軌道観測衛星という表現は無理がある。

(3)粒子状物質予報は今後どのように変わるか

国立環境科学院大気質統合予報センターは現在千里眼衛星1号で生産されるエアロゾルの光学的厚さ(AOD)資料を1時間に1回ずつ受け取り粒子状物質予報に活用している。AODは空気に含まれたすべてのエアロゾルの量を示すもので、実際に地上で観測される粒子状物質の濃度とは差がある。AOD資料を基にアルゴリズムを通じて地上の粒子状物質濃度を推定する方法もあるが、地上観測結果と一致しないなどの限界があった。国立環境科学院環境衛星センターのユン・ジョンミン研究官は「既存の衛星で観測できなかった微量気体物質関連情報を追加で活用して正確に粒子状物質関連情報を伝えられるものとみられる」と話した。

(4)粒子状物質追跡のほかにどのような機能があるのか

千里眼2B号は海洋環境観測もする。光学搭載体を利用し韓半島周辺の油類事故、赤潮、緑潮などを観測できる。既存の千里眼衛星1号に比べ性能が大幅に向上した。1号は500メートル級、2B号は250メートル級の解像度を持つ。汚染物質の海洋投機監視、海水水質変化モニタリングなどを通じて海洋環境保護と水産資源管理にも寄与できる。

(5)いつから稼動するか

千里眼2B号が打ち上げ後高度3万6000キロメートルの静止軌道に無事に到達すれば、性能最適化などに向けた軌道上試験過程と試験サービスを経る。大気環境情報提供は2021年から、海洋情報サービスは今年10月から開始する。



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