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【リセットコリア】日本を政治的にばかり接近していては関係回復は難しい

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
筆者が研究調査をしている福島の小さな漁村で会った日本のある中学生は自分をはじめ多くの友人がK-POPの積極的なファンだと言いながら、韓国に一度行ってみたいと話していた。そのため昨年の夏休みにその学生を韓国に招いた。筆者はにわか旅行ガイドとして、普段は行かないK-POPの名所を回った。東京の中・高生や大学生が韓流に心酔していることは知っていたが、こうした地方の若者の間にも韓流が浸透している事実に驚いた。

筆者が2003年に日本へ引っ越してきたころ、初めて会った日本人たちとの話はほとんどがドラマ『冬のソナタ』に関することだった。筆者が韓国人だと知ると、ドラマ『冬のソナタ』の話が出てきた。彼らと話をするために『冬のソナタ』のDVDを買って来て、数日の間のうちにすべて見た覚えがある。当時のファンの主軸である中年層は今もファンを続け、最近数年間は若者たちを中心にK-POPが大きな人気を得て韓国文化と社会に対する関心を高めている。筆者が指導する学生たちの間でも韓国文化をテーマに卒業論文を書き、韓国に交換学生として行こうと考える学生が増加している。

筆者が日本で暮らしているこの16年間の中で、今年が政治的に韓日関係が最も良くない時期ではないかと思う。日本の政治家の発言やマスコミの報道を見ると、韓国との関係を悲観的に見る論調が強くなっている。どこから接近すれば糸口が見つけ出せるのか、先が見通せない状態だ。それなら日本市民の韓国に対する関心と日本の韓国に対する政治的見解にはなぜズレが生じるのだろうか。


一つの理由として、一般人の政治に対する低い関心を挙げることができる。韓国は全年齢層にわたって政治的関心が高いほうで、日常対話でも政治の話がしばしば登場する。これに反し、日本人は全般的に政治に対する関心が低い。今年7月の参議院選挙の投票率は48.8%で、過去70年間の主な選挙投票率で2番目に低かった。今年、朝日新聞の世論調査では、32%の有権者が政治に全く関心がないと答えた。また、日本の人々は相手が自身と政治的性向が違う場合に引き起こされる葛藤を避けるために、政治に関する話を避ける傾向がある。

政治に対する無関心により、日本の一般市民は最近の韓日関係が悪いことを皮相的には知っているが、正確に何が原因で葛藤しているのかよく知らない。相手が自身を批判して嫌っていることは分かるが、正確な理由は理解できていない状況だ。比較的率直な人が珍しく「なぜ韓国は日本を嫌うのですか」「慰安婦問題に関し、何を望んでいるのですか」と聞いてくる場合がある。日本メディアは根本的な内容を詳しく扱うのではなく、葛藤を深める両国政治家たちの発言に集中している。このような状況で、韓日間の歴史認識と政治に関する立場の溝が狭まらないのは残念だが当然の結果と思われる。

このような状況を理解して韓日関係を政治的問題だけから見ないことが、葛藤を解く糸口を見つける道にならないだろうかと考える。政治と経済、政府と民間交流を分離して考え、地方政府や民間次元で持続的な交流を通じて、歴史問題に対して建設的に学び、話す機会を作ってみてはどうだろうか。韓日関係が良くないため、学生や地方自治体の交流が取りやめになったというニュースを聞くと本当に残念に思う。日本を政治的にばかり接近していては、その社会を理解して説得することは難しいということを知り、メディアも政治問題だけではなく、他の観点からも幅広く日本社会と韓日関係について報道してほしい。ぜひ新年には韓日関係が改善されて、不安な国際情勢の中で両国が共生できることを願う。

チョン・ジュヨン/日本国際基督教大学メディアコミュニケーション学教授



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