「韓国社会の人権は共存する人権でなく『自己中心的な人権』という限界がある」
最近、『人権も差別されるんですか?』(原題、ブックストーン)を出版した成均館(ソンギュングァン)大学社会学科のク・ジョンウ教授が話したことだ。ク教授は韓国社会の人権意識について「人権を認識する水準自体が低い理由もあるが、『自己中心的な人権』だけを前面に出すため葛藤が伴われる」と診断した。彼の説明によると、「自己中心的な人権」は韓国社会にある多様な人権を共に考慮するのではなく、自身が直面した特定状況の権利を何より重視して前面に出すものだ。
1日、成均館大学で会ったク教授は現在、韓国で起きている人権論争の中で最も深刻として「ジェンダー」問題を挙げた。昨年「#MeToo(ハッシュタグミートゥー)」から触発されたジェンダー問題は議論がますます両極端に達しており「ジェンダー戦争」といえるほど対立が深刻化している。
解決の糸口をどのように探ることができるだろうか。ク教授が男性側に韓国社会に存在するジェンダー権力の実体を正確に把握し認めることを提案した。彼は「一部の男性が韓国社会に存在するジェンダー権力を否定したりもするが、ジェンダー権力が韓国社会に強く存在するのは事実」とし「日常生活と社会的関係の中で作動する家父長制度は性役割の偏見を作り出し、これはジェンダー権力につながる」と指摘した。
それによると、韓国社会の性的平等の水準は国際的基準から見ると非常に低い。まず、ガラスの天井指数である男女の「経済活動参加率の格差」と「男女の賃金格差」が大きい。男女の経済的不平等を示すものだ。ク教授は「ひとまずジェンダー権力の実体を認めて向き合ってこそ男女が合意点を探ることができる」と助言した。
ク教授は一部の急進的フェミニストの過激な表現はむしろ葛藤をあおるという点も指摘した。最近、しばしば使われる「女性嫌悪」という表現がその例だ。彼は「本来『嫌悪』は宗教や人種弾圧のような状況で葛藤の様相が集団暴力などに飛び火する可能性が大きい場合使われる概念」としながら「韓国では女性という一般的な対象に嫌悪という表現を使っているが、このような運動戦略は男女を極端な葛藤状態に追い込むということから気を付ける必要がある」と話した。
また、ク教授は他の韓国社会の人権問題として労働権を挙げた。垂直的な企業文化がコミュニケーションを遮断して職場の環境をむしばんだということだ。彼は「職場内の“甲質(パワハラ)”問題と労働力の搾取など労働権を害する問題はいずれもここから発生する」とし「企業文化の改善は企業が率先して努力しなければならない。リスク管理のレベルでも重要かつ緊急な問題」と指摘した。
最後に「韓国社会が中間地帯なしに議論が極限に達しているのは理性が発現できるまともな空間がないため」とし「社会制度的に理性が発現する空間を確保するのが重要だ」と話した。また「個人も人権に関して語る時は常に自身が主張する人権が誰かを差別して排除しないかを振り返る必要がある」と話した。
最近、『人権も差別されるんですか?』(原題、ブックストーン)を出版した成均館(ソンギュングァン)大学社会学科のク・ジョンウ教授が話したことだ。ク教授は韓国社会の人権意識について「人権を認識する水準自体が低い理由もあるが、『自己中心的な人権』だけを前面に出すため葛藤が伴われる」と診断した。彼の説明によると、「自己中心的な人権」は韓国社会にある多様な人権を共に考慮するのではなく、自身が直面した特定状況の権利を何より重視して前面に出すものだ。
1日、成均館大学で会ったク教授は現在、韓国で起きている人権論争の中で最も深刻として「ジェンダー」問題を挙げた。昨年「#MeToo(ハッシュタグミートゥー)」から触発されたジェンダー問題は議論がますます両極端に達しており「ジェンダー戦争」といえるほど対立が深刻化している。
解決の糸口をどのように探ることができるだろうか。ク教授が男性側に韓国社会に存在するジェンダー権力の実体を正確に把握し認めることを提案した。彼は「一部の男性が韓国社会に存在するジェンダー権力を否定したりもするが、ジェンダー権力が韓国社会に強く存在するのは事実」とし「日常生活と社会的関係の中で作動する家父長制度は性役割の偏見を作り出し、これはジェンダー権力につながる」と指摘した。
それによると、韓国社会の性的平等の水準は国際的基準から見ると非常に低い。まず、ガラスの天井指数である男女の「経済活動参加率の格差」と「男女の賃金格差」が大きい。男女の経済的不平等を示すものだ。ク教授は「ひとまずジェンダー権力の実体を認めて向き合ってこそ男女が合意点を探ることができる」と助言した。
ク教授は一部の急進的フェミニストの過激な表現はむしろ葛藤をあおるという点も指摘した。最近、しばしば使われる「女性嫌悪」という表現がその例だ。彼は「本来『嫌悪』は宗教や人種弾圧のような状況で葛藤の様相が集団暴力などに飛び火する可能性が大きい場合使われる概念」としながら「韓国では女性という一般的な対象に嫌悪という表現を使っているが、このような運動戦略は男女を極端な葛藤状態に追い込むということから気を付ける必要がある」と話した。
また、ク教授は他の韓国社会の人権問題として労働権を挙げた。垂直的な企業文化がコミュニケーションを遮断して職場の環境をむしばんだということだ。彼は「職場内の“甲質(パワハラ)”問題と労働力の搾取など労働権を害する問題はいずれもここから発生する」とし「企業文化の改善は企業が率先して努力しなければならない。リスク管理のレベルでも重要かつ緊急な問題」と指摘した。
最後に「韓国社会が中間地帯なしに議論が極限に達しているのは理性が発現できるまともな空間がないため」とし「社会制度的に理性が発現する空間を確保するのが重要だ」と話した。また「個人も人権に関して語る時は常に自身が主張する人権が誰かを差別して排除しないかを振り返る必要がある」と話した。
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