金正男(キム・ジョンナム)氏殺害容疑で起訴されたインドネシア人のシティ・アイシャ被告(左)とベトナム人のドアン・ティ・フオン被告(中央フォト)
この外交筋はこの日、記者に対し「自国民を金正男氏暗殺に利用したことについてベトナムが北朝鮮に公式謝罪を要求し、両国関係が急激に悪化した。これに対し公式的ではなく非公式的に北朝鮮がベトナムに謝罪の意を伝えた」と説明した。
金正男氏は昨年2月、マレーシアのクアラルンプール国際空港で猛毒のVXガスを顔に塗られて殺害された。現在、マレーシアでベトナム人のドアン・ティ・フオン被告(30)とインドネシア人のシティ・アイシャ被告(26)が殺人罪で裁判を受けている。
マレーシア警察によると、2人にVXガスを渡して金正男氏の顔に塗るよう指示した主犯は北朝鮮国籍者のイ・ジェナム(58)、イ・ジヒョン(34)、ホン・ソンハク(35)、オ・ジョンギル(56)の4人。4人は事件当日にマレーシアを出国した。
このうちイ・ジヒョンはイ・ホン元駐ベトナム北朝鮮大使の息子だ。現地語を話すイ・ジヒョンが芸能人志望のフオン被告に接近して暗殺計画に引き込んだという。
自国に駐在した大使の息子がベトナム女性を暗殺事件に関与させたことが明らかになると、ベトナム政府は北朝鮮との外交関係断絶まで考慮するほど強硬な態度を見せた。外交官を除いた北朝鮮国籍者のビザ延長を拒否し、北朝鮮飲食店の賃貸契約も延長しなかった。
こうした外交的圧力に北朝鮮は謝罪をしたという。外交筋は「公式に謝罪すれば金正男氏暗殺を認めることになるため非公式にしたと理解している」と話した。最近、北朝鮮の李容浩(イ・ヨンホ)外相がベトナムを訪問したのは、北朝鮮の非公式謝罪後に両国関係を再び正常軌道に乗せるという狙いがあるということだ。
しかし非公式とはいえ謝罪は金正男氏暗殺事件に対する北朝鮮当局の責任を認めたと見なすことができる。大衆利用施設の空港で化学武器の一種のVXガスを使用したのはテロ行為といえる。今は米朝間の和解局面が形成されて金正男氏暗殺事件が水面下に沈んでいるが、情勢が変わればいつでも北朝鮮に責任を問う根拠となる。
これに関連し韓国外交部当局者は「ベトナムと北の関係に関する事案は確認することができない」と述べた。
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