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【社説】自営業者も大企業経営者も眠れない大韓民国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
きのうサムスンバイオロジックスがソウルの大韓商工会議所で開いた記者会見の雰囲気は重苦しかった。3人のサムスン側関係者は会見場をいっぱいに埋めた記者らの前で泣訴するように話した。この日の緊急記者会見は参与連帯の問題提起後に金融監督院が「サムスンバイオロジックスに対し1年間の特別監理を行った結果、粉飾決算の疑いがある」として会社と監査人に措置事前通知書を通知したのに伴った対応だ。サムスン側は「少しも法規を破っておらず、会計適用を通じて得た利益もまったくない」として積極的に反論に乗り出した。

この問題は小さく見れば金融監督院とサムスン側の争いにすぎない。だが大きな枠組みで見れば事態は深刻だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権が経済民主化にドライブをかけ韓国企業の経営権が揺らいでいるためだ。海外のハゲタカファンドはこの機会を逃さず狙っている。2015年にサムスン物産と第一毛織の合併に反対した後株式を大量処分して差益を得た米国系ヘッジファンドのエリオットは最近露骨に韓国企業狩りに乗り出した。

問題は韓国政府がその口実を提供しているという点だ。公正取引委員会の圧力により現代自動車が数兆ウォンをかけて循環出資を解消することにすると、エリオットがこのやり方に対する反対意見を出して攻撃を始めた。そして配当率を最高50%に引き上げるよう投機資本の本音をあらわにした。サムスンバイオロジックスの問題はさらに深刻だ。文政権がサムスン合併過程で国民年金が介入したことは朴槿恵(パク・クネ)政権の積弊だとしたあげくに裁判所が有罪判決を下したためだ。


エリオットは3カ月もたたずにこの判決を根拠に投資家・国家間訴訟(ISD)の推進に出た。エリオットがサムスン合併当時反対を主張し、韓国政府と裁判所が国民年金の不当な介入を認めたため損害を主張できる根拠を確保した形だ。

現代自動車とサムスンバイオロジックスは、内からは政府の圧力を受け、外からは投機資本の攻撃を受ける進退両難の境遇に陥った。それでも韓国政府は集中投票制と監査分離選任制度を導入する商法改定を通じ投機資本の攻略に翼を与えようとしている。国民年金は商法が改定される前に集中投票制を施行できるよう議決権行使指針を変えてしまった。いまや韓国企業は国民年金という救済者まで消え、海外投機資本の攻撃に無防備にさらされている。少数株主運動が活発な米国でも差等議決権のような経営権保護装置が用意されているのと比較される。

韓国企業の経営者に眠れない夜が増えている。多くの反企業・反市場的政策により企業負担が拡大しているのに経営権不安まで重なったためだ。自営業者も最低賃金引き上げで厳しい状況に陥っている。ここに文大統領はおととい、メーデーを迎え「すべての成長は労働者のためのものでなければならない」と強調した。反企業・親労組の雰囲気の中で経済の現実はしばしば暗鬱な側に進んでいる。生産・投資・雇用に続き輸出戦線まで崩壊する不吉な統計が出ている。企業が息を殺しているのに経済が正常に回るわけがない。政府が冷静に経済を取りまとめなければならない時だ。





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