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ホットライン翌日に北「伝える話ない」…金正恩式サラミ戦術

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
関係復元に向かいスピードを上げていた南北が4日、しばしの休息に入った。前日、23カ月間途切れていた板門店(パンムンジョム)連絡チャネル(ホットライン)がよみがえり、政府は南北会談開催に関する北朝鮮側の迅速な立場表明を期待した。しかし、同日午後まで北側の連絡官は「伝える内容がある場合、連絡する」という言葉だけ残した。

国内外のメディア言論が板門店チャネル復元を大々的に報道したのとは異なり北朝鮮メディアは沈黙を守っている。北朝鮮はホットライン復元から1日後に、対外インターネット宣伝媒体である「メアリ(こだま)」を通じて「南朝鮮(韓国)当局は外勢とのすべての核戦争演習を止めるべきであり、米国の核装備と侵略武力を引き込む一切の行為を止めるべきだ」とし、「戦争でもなくて平和でもない不安定な情勢が持続する中では北と南が予定された行事を成果的に保障できない」と主張した。

金正恩党委員長が国内外の注目をあびている新年辞では電撃的に南北関係改善の意志を明らかにしたが、それに反して実務的な後続措置は微小だ。対話議題を平昌(ピョンチャン)五輪参加問題に限定したり、軍通信線と赤十字ホットライン復元を除いたりするような「サラミ戦術」を駆使する形勢だ。


北朝鮮が意図的に会談前の機先制圧に出たという分析が出ている。金正恩委員長が北朝鮮政権樹立70周年を迎えることし南北関係を改善すべきだと手を差しのべたが、対話の主導権を握るという意図が明確だということだ。実際に北朝鮮は同日板門店チャネルで午前と午後に定期的に実施した「開始通話」と「終了通話」の時間を「平壌(ピョンヤン)時間」(韓国時間より30分遅い)に合わせた。平壌時間は北朝鮮が2015年8月から独自に適用している標準時だ。

北朝鮮は韓国が午前9時に電話をかけた際には取らなかったが、30分後に電話をかけてきた。午後も4時に電話をすると「知らせることがあれば連絡する」と答え、30分後に「今日の業務は終了しよう」と話した。

これはまだ北朝鮮の内部調整が終わっていないためという観測もある。現代史研究所チョン・チャンヒョン所長は「金正恩が平昌五輪代表団参加や当局間会談を新年辞で具体的に言及したため会談代表や議題選定など後続対策議論が終わっていない可能性がある」と話した。金正恩委員長は会談議題を平昌五輪代表団派遣問題で線を引いたが南側がここに「南北関係懸案全般を議論しよう」と逆に提案をしたため金正恩委員長の指針を再び受けるのに時間がかかる可能性もある。

金正恩委員長のスタイルが父親の金正日総書記とは違うという解釈も出てくる。金正日時代には抽象的に方向だけ示した新年辞(金正日総書記は新年共同社説)に比べ、金正恩委員長の新年辞では「平昌五輪に代表団派遣を用意」等、具体的に明らかにするという点で違う。専門家らも鮮明性と透明性を金正恩スタイルの特徴と見ている。西江(ソガン)大学政治外交学科キム・ヨンス教授は「金正日と比べると金正恩はメッセージの曖昧性が減った。行間を読む必要がないほど明瞭で、相手が果敢な出方ができる余地を作った」と話した。

「隠遁の政治家」と呼ばれた金正日総書記とは違い、本人が自ら前面に出て直接話法で正面突破するのも特徴だ。丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は「強く押すやり式が金正日よりは金日成(キム・イルソン)と似ている」と分析した。東国(トングク)大学北朝鮮学科のコ・ユファン教授は「金正恩は若いため、過去より意思決定や実行速度が非常に速くなった」と話した。実際に北朝鮮は趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官が板門店連絡チャネルの復元を希望すると発表(2日)したすぐ翌日に措置を取った。



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