北朝鮮の非核化に向けた対北朝鮮制裁が小康局面だ。トランプ米大統領の就任で始まった対北朝鮮制裁第1ラウンドは、4日に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」を発射し、20カ国・地域(G20)首脳会議が終了して幕を下ろした。米国は休暇シーズン中であり、韓国政府は17日に北朝鮮に軍事・赤十字会談を提案した状態だ。北朝鮮からは反応がない。こうした中、米国では強力な対北朝鮮制裁第2ラウンドのエネルギーがうごめいている。
◆第2ラウンドに向かうトランプ大統領
米国は北朝鮮の「火星14」発射を見て驚いた雰囲気だ。射程距離6700キロ水準の初期のICBMだが、とにかく米アラスカまで届く。ニューヨークなど米東部地域まで到達する1万3000キロ級ICBMを開発するにはさらに1、2年かかるが、米国国民が危機意識を抱くには十分だった。米NBC放送とワシントンポスト(WP)の共同世論調査の結果によると、米国民の74%が米国と北朝鮮の全面戦争の可能性を懸念している。また、回答者の81%が北朝鮮を米国の脅威と見なしている。チェ・ガン峨山政策研究院副院長は「米国は北の火星14発射に大きな衝撃を受けた」とし「北のICBM発射について『あるはずがない』と話していたトランプ大統領の言葉が滑稽になった」と雰囲気を伝えた。チェ副院長は「北のICBM発射にトランプ大統領はもう行動しないわけにはいかなくなった」と話した。しかも北朝鮮で拘束されて解放された後に死亡した米国人青年ワームビア氏の事件で北朝鮮に対する米国国民の怒りまで高まっている。
これに関連関し「米議会がさらに強硬な態度になっている」とチェ副院長は伝えた。米下院は5月4日に「対北朝鮮制裁現代化法」を通過させ、先月21日にこの法案を米上院に送った状態だ。この法案が上院を通過すれば北朝鮮労働者の海外輸出が遮断され、海外の港を使用できなくなる。北朝鮮の輸出入のルートが断たれる。北朝鮮の労働者を雇用する外国企業は米国の制裁対象となる。北朝鮮の賭博サイトはもちろん、北朝鮮の農産品と漁業権取引も制裁する。
中国に対する懐柔と圧力を通じた本格的な対北朝鮮制裁案も用意されている。4月に米フロリダ州マー・ア・ラゴで行われた米中首脳会談後、トランプ大統領は中国の習近平主席が北朝鮮の非核化に大きく寄与すると期待した。このためトランプ大統領は中国を為替操作国から除外し、南シナ海に対する自由航行権の施行も保留した。自由航行権とは、公海である南シナ海をすべての国の商船と艦艇が通過できる権限だ。韓国のほとんどの物流量もこの海域を通過する。にもかかわらず中国は南シナ海に対する領有権を主張し、米海軍艦艇の通過を制限して軍事的に統制する考えだ。マー・ア・ラゴでの首脳会談の後、米太平洋司令官が南シナ海で米艦艇が通過する自由航行権を施行するとトランプ大統領に3回も建議したが、留保となった。中国に対するトランプ大統領の配慮だった。
しかし米中首脳会談から100日が経過しても中国の消極的な対北朝鮮制裁で実効性が表れないため、トランプ大統領は7月初め、米艦艇が南シナ海を通過することを許可した。米国の中国に対する圧力はこれだけでない。米政権は中国を最悪の人身売買国に分類し、中国が敵対視する台湾に1兆6000億ウォン規模の武器販売を許可した。また、北朝鮮と取引した中国丹東銀行を制裁したのに続き、中国企業10社も追加制裁対象にした。米国は今後、中国が本格的に北朝鮮の非核化に向けた制裁に動くまで、よりいっそう強い姿勢で臨むとみられる。米上院に渡った「対北朝鮮制裁現代化法」によると、米政権は北朝鮮と取引する中国企業をさらに制裁することができる。中国を為替操作国に分類することもできる。経済的に中国に最大限の圧力を加え、北朝鮮を制裁するということだ。
米国は北朝鮮の非核化のための外交・経済制裁が失敗する場合に備え、最後の手段である軍事的オプションも静かに準備中だ。まず米国は今年、空母3隻を韓半島(朝鮮半島)任務に割り当てた。横須賀の米第7艦隊基地の最新型空母「ロナルド・レーガン」のほか、「カール・ビンソン」「ニミッツ」を韓半島に常時投入できるようにした。これに先立ち米国防総省は空母に搭載できるスーパーホーネット(F/A-18E/F)48機を岩国に配備した。「空母3隻+アルファ(スーパーホーネット48機)」を韓半島地域に回したということだ。韓半島の有事に投入される空母が4隻程度であることを勘案すると、準戦時レベルの空母戦力といえる。また米海兵隊によると、今年1月に日本に配備された海兵隊用の垂直離着陸ステルス戦闘機F-35B(10機)を10月までに16機に拡大する計画だ。F-35Bは空母または輸送艦に載せて東海(トンヘ、日本名・日本海)から密かに出撃し、北朝鮮上空で秘密作戦を遂行できる。斬首作戦がいつでも可能だ。このほかグアムの高高度無人偵察機5機を沖縄に前進配備した。15-20キロ上空からリアルタイムで地上の標的を偵察するこの無人偵察機の主な任務は北朝鮮の核・ミサイル対応だ。さらに米国の安保の最優先順位だったシリア内戦は休戦となり、イスラム国(IS)の最大拠点のイラク・モスルを奪還し、米国はしばらく北朝鮮に軍事力を集中できる状況だ。
<Mr.ミリタリー>米国、金正恩委員長をどこまで制裁するのか(2)
◆第2ラウンドに向かうトランプ大統領
米国は北朝鮮の「火星14」発射を見て驚いた雰囲気だ。射程距離6700キロ水準の初期のICBMだが、とにかく米アラスカまで届く。ニューヨークなど米東部地域まで到達する1万3000キロ級ICBMを開発するにはさらに1、2年かかるが、米国国民が危機意識を抱くには十分だった。米NBC放送とワシントンポスト(WP)の共同世論調査の結果によると、米国民の74%が米国と北朝鮮の全面戦争の可能性を懸念している。また、回答者の81%が北朝鮮を米国の脅威と見なしている。チェ・ガン峨山政策研究院副院長は「米国は北の火星14発射に大きな衝撃を受けた」とし「北のICBM発射について『あるはずがない』と話していたトランプ大統領の言葉が滑稽になった」と雰囲気を伝えた。チェ副院長は「北のICBM発射にトランプ大統領はもう行動しないわけにはいかなくなった」と話した。しかも北朝鮮で拘束されて解放された後に死亡した米国人青年ワームビア氏の事件で北朝鮮に対する米国国民の怒りまで高まっている。
これに関連関し「米議会がさらに強硬な態度になっている」とチェ副院長は伝えた。米下院は5月4日に「対北朝鮮制裁現代化法」を通過させ、先月21日にこの法案を米上院に送った状態だ。この法案が上院を通過すれば北朝鮮労働者の海外輸出が遮断され、海外の港を使用できなくなる。北朝鮮の輸出入のルートが断たれる。北朝鮮の労働者を雇用する外国企業は米国の制裁対象となる。北朝鮮の賭博サイトはもちろん、北朝鮮の農産品と漁業権取引も制裁する。
中国に対する懐柔と圧力を通じた本格的な対北朝鮮制裁案も用意されている。4月に米フロリダ州マー・ア・ラゴで行われた米中首脳会談後、トランプ大統領は中国の習近平主席が北朝鮮の非核化に大きく寄与すると期待した。このためトランプ大統領は中国を為替操作国から除外し、南シナ海に対する自由航行権の施行も保留した。自由航行権とは、公海である南シナ海をすべての国の商船と艦艇が通過できる権限だ。韓国のほとんどの物流量もこの海域を通過する。にもかかわらず中国は南シナ海に対する領有権を主張し、米海軍艦艇の通過を制限して軍事的に統制する考えだ。マー・ア・ラゴでの首脳会談の後、米太平洋司令官が南シナ海で米艦艇が通過する自由航行権を施行するとトランプ大統領に3回も建議したが、留保となった。中国に対するトランプ大統領の配慮だった。
しかし米中首脳会談から100日が経過しても中国の消極的な対北朝鮮制裁で実効性が表れないため、トランプ大統領は7月初め、米艦艇が南シナ海を通過することを許可した。米国の中国に対する圧力はこれだけでない。米政権は中国を最悪の人身売買国に分類し、中国が敵対視する台湾に1兆6000億ウォン規模の武器販売を許可した。また、北朝鮮と取引した中国丹東銀行を制裁したのに続き、中国企業10社も追加制裁対象にした。米国は今後、中国が本格的に北朝鮮の非核化に向けた制裁に動くまで、よりいっそう強い姿勢で臨むとみられる。米上院に渡った「対北朝鮮制裁現代化法」によると、米政権は北朝鮮と取引する中国企業をさらに制裁することができる。中国を為替操作国に分類することもできる。経済的に中国に最大限の圧力を加え、北朝鮮を制裁するということだ。
米国は北朝鮮の非核化のための外交・経済制裁が失敗する場合に備え、最後の手段である軍事的オプションも静かに準備中だ。まず米国は今年、空母3隻を韓半島(朝鮮半島)任務に割り当てた。横須賀の米第7艦隊基地の最新型空母「ロナルド・レーガン」のほか、「カール・ビンソン」「ニミッツ」を韓半島に常時投入できるようにした。これに先立ち米国防総省は空母に搭載できるスーパーホーネット(F/A-18E/F)48機を岩国に配備した。「空母3隻+アルファ(スーパーホーネット48機)」を韓半島地域に回したということだ。韓半島の有事に投入される空母が4隻程度であることを勘案すると、準戦時レベルの空母戦力といえる。また米海兵隊によると、今年1月に日本に配備された海兵隊用の垂直離着陸ステルス戦闘機F-35B(10機)を10月までに16機に拡大する計画だ。F-35Bは空母または輸送艦に載せて東海(トンヘ、日本名・日本海)から密かに出撃し、北朝鮮上空で秘密作戦を遂行できる。斬首作戦がいつでも可能だ。このほかグアムの高高度無人偵察機5機を沖縄に前進配備した。15-20キロ上空からリアルタイムで地上の標的を偵察するこの無人偵察機の主な任務は北朝鮮の核・ミサイル対応だ。さらに米国の安保の最優先順位だったシリア内戦は休戦となり、イスラム国(IS)の最大拠点のイラク・モスルを奪還し、米国はしばらく北朝鮮に軍事力を集中できる状況だ。
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