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<WBC>「負ければ屈辱」…日本も韓国戦にかける

ⓒ ISPLUS/中央日報日本語版

日本代表のイチローが2009年に東京ドームで行われたWBCの韓国戦で打席に立っている。小さい写真は2009年の韓日戦を特筆大書した日本の新聞。

「記憶に残っていることは2つある。マウンドに立てられた旗、そしてイチローさんの決勝打」。2017ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表の投手、千賀滉大の言葉だ。ソフトバンク・ホークス所属の千賀は11日、西日本スポーツのインタビューに応じた。千賀は「WBCで思い出すこと」という質問に2つを挙げた。2009年WBCで韓国代表がマウンドに太極旗(テグッキ、韓国の国旗)を刺したこと、そして決勝でイチローが林昌勇(イム・チャンヨン)から打った延長10回の決勝打だった。

2009年のWBCで韓日戦は計5試合も行われた。「ダブルイリミネーション」で行われた1次ラウンドと2次ラウンドでそれぞれ1勝1敗。そして決勝戦で日本が5-3で勝った。韓国は東京ドームで行われた1次ラウンドの1位決定戦(1-0)とサンディエゴのペトコパークで行われた2次ラウンドの勝者戦(4-1)で勝利した。サンディエゴで4強を決めた後、韓国代表チームは太極旗をマウンドに刺した。このパフォーマンスは日本では衝撃的に受け止められた。当時、日本メディアは「マウンドへの侮辱」、「相手国を尊重しない姿」と非難した。ソフトバンクの別の日本代表投手、武田翔太も「私も思い出すのはそれだけ」とし「逆に(日章旗を)立てようとは思わない」と感情を表した。

知り合いの日本野球記者に尋ねたところ「一つ下と考えていた相手に敗れ、東京ドームで旗が立てられた場面は占領されたような衝撃を与えた」と語った。続いて「日韓戦が行われれば韓国代表が旗を刺す場面を演出するかが日本野球ファンの関心事」と語った。


日本は韓国より学生野球の伝統が強い。学生野球では「礼儀」が重視される。しかし「太極旗パフォーマンス」に対する反感はそのためだけではないようだ。もう一度尋ねると、日本の記者は「3大会連続で受けた衝撃が大きかった」と語った。ここでいう「3大会」とは2006年と2009年のWBC、そして2008年の北京オリンピック(五輪)だ。3大会で韓日戦は計11試合(2007年アジア野球選手権大会含む)行われ、韓国が6勝5敗と優位だ。

日本メディアは韓日戦をどう眺めているのか。日本メディアでは「これはもう一つの戦争」「宿敵」「運命の対決」などの言葉がよく登場する。韓日戦で敗れれば刺激的な言葉が登場する。2015年プレミア12の準決勝で韓国に3-4で逆転負けした後もそうだった。日本の新聞は「小久保監督の継投ミス、屈辱の敗戦」、「屈辱の敗戦、侍はここまで」などという見出しをつけた。2013年のWBC準決勝でプエルトリコに1-3で敗れた時はどうか。当時、日本メディアは「挑戦は世界4強で終わる」「世界一への挑戦が終わった」などと、刺激的というより悲壮な表現を使った。

日本スポーツ紙の記者は「これはかなりよくなった方だ」と説明した。過去には監督の名前の後に「切腹」などの言葉を付けたりもしたという。この記者は「日韓戦は『売れる』コンテンツ。日本で関心が大きい。メディア間の競争も激しいので強い言葉を使う」と説明した。

視聴率にも表れている。イチローが決勝打を放った2009年WBCの決勝戦の視聴率は関東基準で36.4%、最高45.6%だった。決勝戦だからというわけではない。韓国がコールド負けを喫した1次ラウンドの勝者前(2-14)の視聴率は37.8%、1位決定戦(1-0で韓国の勝利)は33.6%だった。2次ラウンドで日本がキューバと対戦した2試合(1次ラウンド、敗者戦)の視聴率は30%を超えなかった。準決勝の米国戦も28.7%に終わった。試合の重要度に関係なく韓日戦は日本でも最も視聴者の関心を引くコンテンツだった。

今も同じだ。2015年10月、ソフトバンクは日本シリーズでヤクルトを破って優勝した。優勝を決めた第5戦の視聴率は12.3%だった。しかし1カ月後に開催されたプレミア12の開幕戦の視聴率は19.0%にのぼった。もちろん相手は韓国だった。日本が大逆転負けを喫した準決勝の視聴率は25.2%という数字が出た。

日本野球専門サイト「ベースボールキング」のコラムニスト中溝康隆氏は「日韓戦はキラーコンテンツ。(野球に関心が低い)ライトファンも見る」と話した。特定球団のファンとしてペナントレースとポストシーズンに関心を持つ一般の野球ファンの関心とは違うということだ。プロ野球というヘゲモニーから抜け出したコンテンツ消費が生じる。テレビ東京が調査した「絶対に負けたくない国」項目では韓国(48%)が中国(28%)に大差をつけて1位になった。

平凡な日本人は韓日戦をどう見ているのだろうか。野球に「少し」関心があるというナカモト・リエさん(34)は「絶対に負けられない相手。重要なところでやられたので。頂点に向かって進むために勝たなければいけない」と語った。スポーツが全般的に好きだというチドウ・メグミさん(28)は「アジアのライバル、隣国同士の小さな戦争」と表現した。大学生のカネコ・アカリさん(21)は「日韓戦だと他の国との試合よりも注目する」とし「イチローの決勝打と韓国を圧倒した大谷翔平の投球を思い出す」と印象に残る場面に言及した。2009年のイチローの決勝打、2015年の大谷の完ぺきな投球は「日本野球の力」を象徴した。

日本野球代表チームはNPBエンタープライズが運営する。同社の関係者は韓日戦を待っているという言葉も残した。「野球人気の拡張と収益増大のために韓日戦の実現は必須。両国ともに2次ラウンドに進出して『真剣勝負』をしてほしい。確実に意識している」と明らかにした。

韓日戦はビジネスレベルで重要なコンテンツだ。1、2次ラウンドがリーグ戦に変わり、今年のWBCでは最多で2回の韓日戦が行われる。両チームが1次ラウンドを通過すれば東京ドームで開催される2次ラウンドでぶつかることになる。2度目の韓日戦が実現する場合、それは決勝戦となる。多くの日本野球関係者は今年「2試合の韓日戦」を期待している。韓国も同じはずだ。



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