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【噴水台】対馬から来た高麗仏像のジレンマ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
21年前だ。日本の桜圃寺内文庫に収められていた所蔵品の一部が韓国に帰ってきた。日帝強占期に朝鮮統監を務めた寺内正毅が朝鮮で収集した画集・記録画など合計1995点だ。ソウル大のアン・フィジュン名誉教授は寺内文庫を韓国文化財の模範的還収事例に挙げる。慶南(キョンナム)大のパク・ジェギュ総長のひたむきな努力と韓日政治家の交渉力を高く評価した。慶南大は寄贈展示室をつくり、関連資料集も刊行した。後続研究も行われた。

最近、高麗時代の仏像1点が論争の渦中にある。昨日、大田(テジョン)地裁は検察が申請した高麗金銅観音菩薩座像の強制執行停止申請を受け入れた。先月26日の判決で、本来の所有主と伝えられた忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)の浮石寺(ブソクサ)に600余年ぶりに戻る予定だった仏像の先行きが一転して不透明になった。該当の仏像は、韓国の文化財窃盗犯が2012年に日本対馬島の観音寺から盗み出したものだ。簡単に言えば贓物(ぞうぶつ)だ。

「浮石寺仏像」は高麗後期の仏像様式を代表している。優雅なたたずまいと貴族的な品格が際立っている。仏像の腹蔵品に製作年代・経緯などが記録されていて価値が高い。東国(トングク)大のムン・ミョンデ名誉教授は「沿革が確実な国内高麗後期仏像は3、4点しかない」とした。浮石寺側は、1330年に安置された仏像は14世紀に瑞山に侵入した倭寇が略奪した可能性が高いと主張し、1審判決もこれを認めた。


核心は日本の略奪があったかどうかだ。この問題に加え、韓国の窃盗犯が盗んできたという点が事をややこしくしている。不法に奪われた文化財でも、正当な手続きを踏んで返してもらわなければならないためだ。「目には目、歯には歯」式では問題を解決していくことはできない。韓国文化財庁も「倭寇によって略奪された可能性が高いが、直接的な立証資料は見つからなかった」という報告書を出した。今後の2審判決に耳目が集中しているのもこのためだ。

現在、日本にあると把握されている韓国の文化財は7万1000点余り、海外にある16万8000点余りのうち42.5%に達する。まだ隠されているものが多い。正確な実態調査、長期的還収戦略が必要な理由だ。愛国心で武装した感情的対応を前面に出せば、文化財はさらに奥へと隠されるかもしれない。一部の欠点を直そうとして全体を台無しにしてしまう「矯角殺牛」は避けなければならない。独島(ドクト、日本名・竹島)領有権の主張や教科書わい曲など日本のやり口がいくら汚いといってもだ。今回、浮石寺側が観音寺と直接協議に入るのはどうだろうか。長い時間はかかっても、仏教の「縁起の法」は因果を明確にしている。日本が奪取した点を説得しなければならない。

パク・ジョンホ/論説委員



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