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居眠りの長官を処刑…恐怖に怯える北朝鮮エリート層

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長がまた恐怖政治を始めた。しばらく聞こえてこなかった公開処刑を再開した。

今回は内閣の核心である教育相と農業相が刑場の露として消えたというのが、29日の対北朝鮮消息筋の伝言だ。教育相は金正恩委員長主宰の会議で居眠りをしたという理由で連行された。農業相は農業政策の不振を理由に「反革命」罪を被せられて処刑されたという。

何よりも在英北朝鮮大使館のテ・ヨンホ公使の脱北・亡命事態と重なった処刑の時期が注目される。テ公使の韓国入りの後、金正恩委員長は海外公館職員と駐在員に対する大々的な検閲とともに家族の平壌(ピョンヤン)召還を指示するなど、自ら対策に動いた。平壌の権力核心エリートの体制離反や離脱行為は許さないという金正恩委員長の意志というのが、専門家らの診断だ。安燦一(アン・チャンイル)世界北朝鮮研究センター所長は「権力内部のエリート勢力も引き締めるという信号弾の性格の見せしめ式処刑」と話した。


労働党と軍部に限られていた処刑の対象が内閣専門部署にまで拡大した点も注目すべき部分だ。2012年7月の李英浩 (イ・ヨンホ)総参謀長の粛清と翌年12月の張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長の処刑など、金正恩執権後5年間の粛清はほとんど党の核心や軍の幹部に限られていた。今回の処刑は内閣の専門官僚も例外でないという警告だ。食糧難などで民心が悪化する場合、労働党政策部所はもちろん内閣にも責任を問うということだ。統一部の当局者は「金日成(キム・イルソン)主席の死後の1997年に徐寛熙(ソ・グァンヒ)農業担当党書記とキム・ウォンジン農業委員長を粛清したことを思い出す」と述べた。

最近、地方都市を中心に食糧不足が深刻というのが政府当局の評価だ。しばらく好転しているという話が出ていたが、また悪化したということだ。世界食糧計画(WFP)は最近の報告書で、7月の北朝鮮脆弱階層45万7000人に支援した食糧は379トン(1人あたり一日27グラム)にすぎないと明らかにした。2011年8月以降、最も少ない。事情がこうであるにもかかわらず金正恩委員長は執権後、韓国と国際社会の対北朝鮮支援に拒否感を表してきた。ある脱北者は「北の家族と電話をしたが、最近、山の斜面の段々畑に金正恩の指示で苗木を植える事業が始まったことで、食糧の心配がさらに深まり、体制への反感が強まったと聞いた」と伝えた。

金正恩委員長の即興的な統治スタイルも恐怖政治が続く理由という指摘もある。最近成功した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試験場で金正恩委員長は責任者の李炳哲(イ・ビョンチョル)軍需工業部副部長と抱擁して一緒に喫煙するなど信頼を表した。しかし気に入らない幹部は居眠りや反論をしたという理由で処刑している。昨年4月に玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長を処刑した時もこのような理由を挙げた。

公開処刑とエリートの脱北に対する政府の見方は朴槿恵(パク・クネ)大統領の最近の発言に表れている。朴大統領は最近、「金正恩委員長の性格は予測できない」という公開発言をし、体制の亀裂や自滅も指摘している。北朝鮮住民の人権や民生が蹂りんされる状況で核・ミサイル開発に没頭する北朝鮮体制に対する批判が込められているというのが、政府当局者の説明だ。

問題は北朝鮮エリート階層の動揺の可能性だ。平壌では公開処刑をはじめとする恐怖政治が広がり、誰も安心できない状況だ。海外滞在のエリートの場合、悩みが深まるしかない。権力の軸といわれる、いわゆる「パルチザン」血統までが体制に背を向けて韓国行きを選択する現実のためだ。対北朝鮮情報関係者は「海外に滞留する北の公館の職員や貿易機関の幹部が自ら韓国や西側の外交公館に入ってくる亡命事態がさらに出てくる可能性にも備えている」と話した。



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