韓国政府が高高度ミサイル防衛(THAAD)体系を慶尚北道星州(ソンジュ)に配備することを決定したことに関し、15日に説明会を開いたが、住民の強い反発のため中断した。住民はペットボトルや卵を投げて激しく抗議し、黄教安(ファン・ギョアン)国務首相ら政府関係者が乗った車を取り囲んで道をふさいだ。首相一行は6時間ほどバスの中に閉じ込められる状況となった。この日午前10時30分、星州郡庁広場は赤く染まった。住民は「THAAD決死反対」と書かれた赤い鉢巻きをして「THAAD反対」を叫んだ。集会には約3000人(警察の推算、主催側は約6000人と推算)が集まった。
黄首相と韓民求(ハン・ミング)国防部長官は午前10時56分に郡庁に入った。黄首相の一行が登場すると、住民は「帰れ」「THAAD反対」などと叫んだ。黄首相は玄関の前で断食しながら抗議する金恒坤(キム・ハンゴン)郡守と言葉なく握手した。
午前11時5分、黄首相は玄関の前の壇上に立った。黄首相は「THAAD配備発表を聞いてどれほど驚かれたことか、本当に重い気持ちでこの場に立った」と述べた。続いて「あらかじめ伝えられなかった点を申し訳なく思う」とし、北朝鮮の核挑発状況を説明した。住民は「嘘だ」「北を言い訳にするな」などの野次を飛ばし、ペットボトルや卵を投げ始めた。黄首相の服は飛んできた卵で汚れた。警護員が傘で防いだが、力不足だった。韓民求(ハン・ミング)国防長官も「あらかじめ知らせることができなかった点を謝罪する」と述べて頭を下げた。続いて「北の核・ミサイル脅威から保護するための最適地が星州地域だった」と話した。すると「嘘だ」「犬XX」などの声が続き、また卵やペットボトルが飛んだ。説明会は結局、30分で中断した。チョ・ヒヒョン慶北警察庁長官は住民が投げたペットボトルのため左眉の上を3センチほど切り、治療を受けた。
身辺に危険を感じた黄首相の一行は郡庁の横側の門から出てミニバスに乗った。しかし午前11時40分ごろ、怒った住民がトラクターまで動員してバスを取り囲み、午後5時40分まで6時間ほど黄首相らは動くことができなかった。その後、車から降りて警察の護衛のもと郡庁の裏門から抜け出し、乗用車に移動したが、また住民らに30分間ほど取り囲まれた。黄首相はまた車を降りて、別の乗用車で星州郡を離れた。この過程で黄首相は携帯電話と手帳が入ったスーツの上着を紛失した。集会現場には星州女子中・星州女子高・星州高の生徒621人が早退し、集会に参加した。この日、小学生21人は登校を拒否した。
住民のノ・ウイクさん(57)は「THAAD配備地域の周辺にこれほど多くの人々が住むところがどこにあるのか」とし「本当に心配になって集会に出てきた」と話した。60代の住民は「電磁波の影響がないというのは話にならない」と語った。別の住民(40)は「THAAD配備地域の農産物といえば誰が買うのか」と声を高めた。
忠南大のチェ・ジンヒョク教授(自治行政学科)は「政府がTHAAD配備問題を事前に住民・自治体の首長に説明するべきだった」とし「住民も興奮するよりは説明を十分に聞いて、受け入れるかどうかを決めるべき」と話した。明知大のシン・ユル教授(政治外交学科)は「説明のために現場を訪れた首相の一行にペットボトルを投げて車をふさぐのは厳然たる違法」とし「手続きに問題があるとしても違法行為で対抗するのは問題の解決に決して役立たない」と述べた。
韓国外大のイ・ジョンヒ教授(政治外交学科)は「政府がどれほど透明にTHAAD関連情報を公開して国論をまとめる努力をするかが重要」とし「星州が『済州(チェジュ)江亭マウル』のようになるおそれもある」と指摘した。
一方、THAAD配備反対平沢(ピョンテク)対策準備委員会は15日、「THAAD配備は亡国的決定だ」とし「星州郡民と連帯していく」と主張した。
◆国会に広がった論争
セヌリ党の閔庚旭(ミン・ギョンウク)議員はこの日の予算決算委員会で「大統領が海外訪問中だが、国軍統帥権者を代理する首相と国防部長官が6時間も監禁された。警察は何をしていたのか」と批判した。
姜信明(カン・シンミョン)警察庁長官は「あらかじめ警察力を配備し、通信はずっと維持されていて、監禁状態ではなかった」と釈明した。
黄首相と韓民求(ハン・ミング)国防部長官は午前10時56分に郡庁に入った。黄首相の一行が登場すると、住民は「帰れ」「THAAD反対」などと叫んだ。黄首相は玄関の前で断食しながら抗議する金恒坤(キム・ハンゴン)郡守と言葉なく握手した。
午前11時5分、黄首相は玄関の前の壇上に立った。黄首相は「THAAD配備発表を聞いてどれほど驚かれたことか、本当に重い気持ちでこの場に立った」と述べた。続いて「あらかじめ伝えられなかった点を申し訳なく思う」とし、北朝鮮の核挑発状況を説明した。住民は「嘘だ」「北を言い訳にするな」などの野次を飛ばし、ペットボトルや卵を投げ始めた。黄首相の服は飛んできた卵で汚れた。警護員が傘で防いだが、力不足だった。韓民求(ハン・ミング)国防長官も「あらかじめ知らせることができなかった点を謝罪する」と述べて頭を下げた。続いて「北の核・ミサイル脅威から保護するための最適地が星州地域だった」と話した。すると「嘘だ」「犬XX」などの声が続き、また卵やペットボトルが飛んだ。説明会は結局、30分で中断した。チョ・ヒヒョン慶北警察庁長官は住民が投げたペットボトルのため左眉の上を3センチほど切り、治療を受けた。
身辺に危険を感じた黄首相の一行は郡庁の横側の門から出てミニバスに乗った。しかし午前11時40分ごろ、怒った住民がトラクターまで動員してバスを取り囲み、午後5時40分まで6時間ほど黄首相らは動くことができなかった。その後、車から降りて警察の護衛のもと郡庁の裏門から抜け出し、乗用車に移動したが、また住民らに30分間ほど取り囲まれた。黄首相はまた車を降りて、別の乗用車で星州郡を離れた。この過程で黄首相は携帯電話と手帳が入ったスーツの上着を紛失した。集会現場には星州女子中・星州女子高・星州高の生徒621人が早退し、集会に参加した。この日、小学生21人は登校を拒否した。
住民のノ・ウイクさん(57)は「THAAD配備地域の周辺にこれほど多くの人々が住むところがどこにあるのか」とし「本当に心配になって集会に出てきた」と話した。60代の住民は「電磁波の影響がないというのは話にならない」と語った。別の住民(40)は「THAAD配備地域の農産物といえば誰が買うのか」と声を高めた。
忠南大のチェ・ジンヒョク教授(自治行政学科)は「政府がTHAAD配備問題を事前に住民・自治体の首長に説明するべきだった」とし「住民も興奮するよりは説明を十分に聞いて、受け入れるかどうかを決めるべき」と話した。明知大のシン・ユル教授(政治外交学科)は「説明のために現場を訪れた首相の一行にペットボトルを投げて車をふさぐのは厳然たる違法」とし「手続きに問題があるとしても違法行為で対抗するのは問題の解決に決して役立たない」と述べた。
韓国外大のイ・ジョンヒ教授(政治外交学科)は「政府がどれほど透明にTHAAD関連情報を公開して国論をまとめる努力をするかが重要」とし「星州が『済州(チェジュ)江亭マウル』のようになるおそれもある」と指摘した。
一方、THAAD配備反対平沢(ピョンテク)対策準備委員会は15日、「THAAD配備は亡国的決定だ」とし「星州郡民と連帯していく」と主張した。
◆国会に広がった論争
セヌリ党の閔庚旭(ミン・ギョンウク)議員はこの日の予算決算委員会で「大統領が海外訪問中だが、国軍統帥権者を代理する首相と国防部長官が6時間も監禁された。警察は何をしていたのか」と批判した。
姜信明(カン・シンミョン)警察庁長官は「あらかじめ警察力を配備し、通信はずっと維持されていて、監禁状態ではなかった」と釈明した。
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