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【社説】改憲のカギを握った安倍首相の暴走を憂慮する

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本がいつでも戦争を起こすことができる「普通の国」に変えようとする安倍晋三首相の野望がさらに現実に近づくことになった。10日の参議院選挙で自民党と公明党をはじめとする改憲支持4党が改憲に必要な3分の2議席に近い票を受けたという出口調査の結果が表れた。財政拡大・金融緩和・構造改革という3本の矢を通じて日本を慢性的なデフレから脱却させるというアベノミクスが日本国民から支持を受け、野党は全く力を出せなかった。アベノミクスは3年経過しながら効果が半減しているのが実情だ。最近はブレグジット(英国のEU離脱)などで日本円が急騰し、輸出企業までが勢いを失っている。しかし日本の有権者としてはアベノミクスのほかに代案がないのが問題だ。

さらに中国が勢力を拡大し、北朝鮮の核脅威まで強まっていて、日本の有権者には安倍首相の路線を排斥する理由がない。野党が憲法改正に反対し、アベノミクス無用論を主張しているが、日本の国民が耳を傾けない理由だ。こうした国民的な情緒は投票率にそのまま反映され、今回の投票率は歴代参議院選挙史上最低となった。人口の高齢化による「シルバー民主主義」の弊害を緩和するため、選挙権を初めて18歳以上に2年も引き下げたが、結果は変わらなかった。

安倍首相は改憲に必要なカギをすべて握った。衆議院ではすでに3分の2議席を超え、参議院でも無所属議員らを迎えて改憲に必要な議席を固めていく基盤を用意したからだ。さらに今回の参議院選挙の圧勝で安倍首相は長期執権の道を開くことになった。円安を誘導して輸出を促進するアベノミクスも継続できることになった。


今はもう韓国政府も日本の右傾化に対する本格的な対応を考える必要がある。日本の意図を正確に把握して先制的に対処する一方、日本との交流も軽視してはいけない。日本の右傾化の流れを警戒するものの、民間と経済交流が持続してこそ日本を説得するきっかけも生じるからだ。外交であれ、経済であれ、そのような土台があってこそ安倍首相の疾走を防ぐことができる。



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