韓国の元水泳国家代表の朴泰桓（パク・テファン、２７）が「オリンピック（五輪）出場の機会を与えてほしい」という意味でクンジョル（韓国伝統の挨拶）をした。

朴泰桓は２日、仁川（インチョン）市庁で開かれた記者会見で「水泳で国に奉仕できるよう、一度だけ機会を与えてほしい」と謝罪のクンジョルをした。

朴泰桓は２０１４年９月に実施されたドーピング検査で禁止薬物であるテストステロン成分で陽性反応が出て、国際水泳連盟（ＦＩＮＡ）から１８カ月の選手資格停止の懲戒処分を受けた。先月２日にＦＩＮＡの懲戒が解け、先月２９日に閉幕した国家代表選考会に出場することができた。


この大会で、朴泰桓は男子自由形１００・２００・４００・１５００メートルなどで優勝し、４冠を手にした。また、五輪に出場できるＡ基準記録はすべて充足した。だが、薬物などに対する懲戒満了後、３年間は国家代表選抜を禁止するという大韓体育会の規定により現在の状態では五輪出場は難しい状態だ。

「二重処罰」という世論があるが、大韓体育会のチョ・ヨンホ事務総長は「記録は記録で規定は規定。朴泰桓問題に関して再考の余地はない」と釘を刺した。

この記者会見には、劉正福（ユ・ジョンボク）仁川市長も出席した。劉市長は「禁止薬物の服用はそれ相応の代価を払うべきだと考える。だが、朴泰桓はすでにＦＩＮＡから処罰を受けた。国内外でこれと類似の二重処罰事例から規定を変更して五輪出場が可能になった先例もある」とし「朴泰桓がリオ五輪で水面を勢い良く掻き分けながら泳ぐ姿をもう一度見たい」と話した。

朴泰桓は２０１３～２０１４年に仁川市庁所属選手として活動し、仁川には２０１４仁川アジア競技大会のために彼の名前が冠された「文鶴朴泰桓プール」が建設された。