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【社説】五輪の英雄、朴泰桓を守れなかった粗末な選手管理

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国際水泳連盟(FINA)ドーピング検査で陽性反応を見せたオリンピック(五輪)メダリストの朴泰桓(パク・テファン)が、検察の捜査の結果、禁止薬物テストステロンの注射を打ったことが明らかになった。男性ホルモンのテストステロンは更年期症状改善効果のほか、筋肉量と骨の密度を高め、筋骨格系の成長・強化に影響を与える。公正なスポーツの勝負を妨げるため、世界反ドーピング機関(WADA)などはこれを禁止薬物に指定している。

ソウル中央地検刑事2部は、朴選手が昨年7月にソウルのある病院でこの注射を受け、ドーピング検査で摘発されたとみている。病院側は「男性ホルモン数値を高めるために注射をし、テストステロンが禁止薬物であることを知らなかった」と述べたという。しかしテストステロンの作用・副作用、禁止薬物かどうかは医師をはじめとする保健医療関係者に広く知られているという点で説得力が落ちる。朴泰桓の所属事務所は「注射の成分などを数回確認したし、病院側は問題ないと話した」というが、注射薬の成分はスマートフォンで検索してもすぐに分かるという点で理解しがたい。

韓国の代表的なスポーツスターであり五輪の英雄である朴泰桓をこのように粗末に管理したとすれば、病院も所属事務所も責任は免れない。ドーピングとスポーツ医学の専門性と経験を兼ね備えた大韓体育会医務陣や国家代表主治医を置きながらも、あえて一般病院を訪れた点から釈然としない。朴泰桓が今年2月のFINA公聴会でいくら過失だと釈明しても、慣例上、国際大会出場禁止処分を避けるのは難しい状況だ。情状参酌で懲戒期間を最小限に減らすのが次善策だ。朴泰桓が来年8月のリオデジャネイロ五輪に出場できるようスポーツ外交を集中しなければいけない。


韓国スポーツ界は今回の事件をきっかけに、国家代表選手の管理に万全を期す必要がある。選手が薬物の誘惑に負けないよう取り締まるのはもちろん、過失で禁止薬物が投与されることがないよう徹底しなければいけない。スポーツ専門医を積極的に活用するのも一つの方法だ。何よりもドーピングは儀礼的な手続きでなく、公正な勝負の世界へ行く厳格な通過儀礼であることを認識しなければいけない。



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