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【コラム】北朝鮮崩壊論は幻想(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)政府は3年前、信頼のプロセスで南北関係を改善するという野心を抱いてスタートした。3年が過ぎた今日、北朝鮮崩壊論が信頼のプロセスを押しのけて対北朝鮮政策の中心軸となった。朴大統領の北朝鮮崩壊論は1年間に「北は崩壊する」から「北を崩壊させる」に進化した。北朝鮮崩壊論はソ連・東欧社会主義体制が解体した1991年、金日成(キム・イルソン)主席が死去した1994年、「アラブの春」が波及した2010-2011年に続いて4回目だ。91年、94年、2010-11年には北朝鮮崩壊を期待しただけで、崩壊のための能動的な作用はしなかった。今回は違う。

北朝鮮の1月6日の4回目の核実験、2月7日の長距離ロケット発射を見た朴大統領は、開城(ケソン)工業団地閉鎖とTHAAD配備の決断を下した。朴大統領は2月16日の国会演説で、北朝鮮政権を崩壊させてしまうという趣旨の話をした。「北の政権が核開発では生存できず、むしろ体制崩壊を催促するだけだという事実を骨身に凍みるほど実感させる」。このように2014年初めの記者会見で述べた統一テバク(=bonanza、大もうけ/大当たり)と同年3月にドレスデンで宣言した韓国版「接触を通じた変化」は白紙化した。2015年8月に国防部の「創造国防」セミナーでは、金正恩(キム・ジョンウン)除去を意味するその名もぞっとするような「斬首作戦」が知らされた。

斬首作戦は、2003年の米国のイラク侵攻当時、国防長官ドナルド・ラムズフェルドの「力の中心(Center of Gravity)」に火力を集中する戦略に基づき、バグダッドを先に占領してフセインを除去した戦略と軌を一にする。この戦略は全体主義国家で首脳が除去されれば体制全体が瓦解するという理論に基づく。斬首作戦と北朝鮮崩壊論に対し、北朝鮮は予想通り朴大統領への露骨な暴言と青瓦台(チョンワデ、大統領府)攻撃脅迫で対応している。


北朝鮮崩壊は可能なのか。「北朝鮮は崩壊する」という期待が現実になるには、2011-11年のアラブの春、89年の東欧、89-90年の東ドイツのように民衆蜂起が発生する必要がある。または韓国の10・26当時のように最高指導者を殺害する「金載圭(キム・ジェギュ)」のように窮鼠の状況にある小英雄主義者が現れなければいけない。しかし我々の一部の期待とは違い、北朝鮮にはまだ市民社会に似たものも存在しない。市民革命の発端となる民衆の騒擾が起きる可能性はほとんどない。北朝鮮の携帯電話保有台数が現在の370万台から1000万台ほどに増えた時に期待するシナリオだ。軍首脳の階級を頻繁に変え、党と軍の要人を処刑する恐怖政治の下で、北朝鮮版「金載圭」や宮廷クーデターを期待するのも難しい。



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