日帝関東軍７３１部隊の人体実験で犠牲になったと推定される初の韓国出身「マルタ」（人体実験の被験者）の存在が確認された。今まで名前が確認された朝鮮人出身犠牲者４人はすべて北朝鮮出身だった。

こうした事実はＪＴＢＣの調査報道番組「イ・ギュヨンのスポットライト」（金曜日午後９時４０分）が国内と中国で発掘された資料と現場確認で明らかになった。同番組が単独入手した７３１部隊関連記録には、慶尚北道が故郷である当時２５歳のキム・ソンベという人物が日本憲兵隊に逮捕されて（７３１部隊に）特別移送、または他の部隊に移されたという内容が書かれている。

この記録によると、キム・ソンベという人物は朝鮮と中国が連合した抗日団体「東北抗日連軍」の一員として、軍事・鉄道情報の収集と地図作成の諜報活動をした。逮捕当時に大金の７３０円（コメ２０俵分の価格）を所持していたキム・ソンベが抗日諜報活動で主な役割をしたと推定できる部分だ。


この記録を検討したソウル大社会学科のソ・イジョン教授は「抗日運動をしたという点で日本にとって危険な人物であり、韓国で初のマルタ犠牲者であるのが確実とみられる」と述べた。

中国ハルビン市７３１問題国際研究センターのヤン・ウェンジン所長は「日帝憲兵が焼却して残った資料」とし「当時この地域で抗日諜報活動をして逮捕された人たちはほとんど７３１部隊に送られた」と述べた。

また同番組は中国ハルビンで７３１部隊が細菌爆弾を投下する時に使った飛行機の整備所を国内外で初めて公開する。７３１部隊は日本が１９３６年に満州に設立した細菌戦部隊で、１９４０年から人体実験に毎年６００人が動員され、少なくとも３０００人が犠牲になったと推定される。