チョン・ジンヨン慶煕大副総長(国際関係学)
ソフトパワーは相手を変えるという意図から国が政策的な育成戦略をとるという点で人為的だ。一方、魅力は自然なものだ。あたかも太陽・地球・月が固有の性質を失わずお互い引き合いながら公転するようにだ。強大国の文化・イデオロギーを注入せず、自然な「人力」で相手の多様性を認めて共同繁栄する「共存の力」だ。
米国の学問と高等教育、ハリウッドに代表される大衆文化は、覇権的な秩序のもとで世界的な影響力を行使してきた。こうしたソフトパワーは米国が国家的覇権を維持する重要な手段だ。中国と日本も似た戦略をとる。「中国の夢」と「クールジャパン」は軍事・経済力をもとに自国の文化を他国に受け入れさせる。
しかし我々の「魅力韓国」づくりは国家主導であってはならない。強大国の隙間で東西の文化が交わる歴史を経験した韓国人のDNAには、世界の人の心を魅了できる知的能力と感受性がある。眠っている魅力が十分に発現するよう制度と環境を作らなければいけない。その魅力を目覚めさせることは市民から始まらなければいけない。
中央日報と慶煕大はビッグデータ4872万件を分析した内容を土台に、一般市民と大学生、外国人留学生など約4500人から、アンケート調査やソーシャルフィクション(サイエンスフィクションのように自由な想像で未来を議論する集団討議)など多様な方式で意見を聞いた。さらに国会議員と閣僚、最高経営責任者(CEO)、外国大使、学者など約150人にインタビューした。意見をまとめることで大韓民国の魅力、そして我々が進むべき方向を知ることができた。悩みの旅程と結果を紙面を通じて紹介する。
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