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【社説】韓国史の教科書、なぜ天安艦爆沈を省くのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
5年前の韓国哨戒艦「天安」爆沈は、北朝鮮の軍事挑発の側面でも南北関係でも抜いては語れない一大事件だ。北朝鮮の奇襲挑発で韓国の海軍将兵46人が犠牲になった。合同調査団には外国専門家も参加して北朝鮮の魚雷攻撃が沈没の原因だと明らかにし、国際社会は北朝鮮の蛮行を糾弾した。事件の余波は李明博(イ・ミョンバク)政権を越えて朴槿恵(パク・クネ)政権でも続いている。

にもかかわらず昨年から一線の高校で使用中の韓国史教科書8種類のうち天安艦爆沈事件を記述しているのは、教学社・志学社・斗山東亜出版社の3種類だけであることが分かった。国会教育文化体育観光委の韓善教(ハン・ソンギョ)議員(セヌリ党)の調査結果によると、飛上教育出版社をはじめとする4種類は南北関係の悪化を記述しながらも2010年11月の北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃だけに言及し、天安艦爆沈事件は省略した。延坪島砲撃事件は天安艦事件の延長線上にあるだけに、南北関係悪化の母体となる部分を省いた格好だ。金星出版社の教科書は当時の南北葛藤について「西海岸で双方間の軍事的衝突が相次いで発生しながら」と記述した。天安艦事件と延坪島事件はもちろん、挑発の主体も明示しなかった。

このような教科書で習う学生は天安艦事件を正しく理解できるはずがない。教科書がこのようであれば、「天安」沈没の原因をめぐる一部の座礁説など各種陰謀説も消えない。青少年の健全な安全保障観も育たない。教科書で南北間の和解と協力を記述するのと、北朝鮮の挑発に関する基礎的な事実を指摘するのは別の問題だ。


天安艦事件を除いた教科書が進歩性向団体所属の人たちが製作に参加して生じたことなら、深刻な問題になるしかない。政治的な偏向性を持つ人たちを排除する制度的な装置が必要だ。教育部も問題だ。2011年にできた「北の挑発などで南北間の葛藤が繰り返されたが…」という執筆基準はあまりにもあいまいだ。より明確な執筆基準を設けなければいけない。天安艦事件の教訓は正確な理解から出てくる。



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