現代車が１９６７年の創業から４８年間にわたり維持してきた生産職対象の年功序列制をなくし、成果給を根幹とする「新年俸制」を今年３月までに準備することにした。通常賃金１審判決の直後に出てきた現代車の最初の公式立場だ。現代車は国内単一事業場では最大規模（労組員５万１６００人）であるだけに、ほとんどが生産職の年功序列制を維持している国内産業界全般への影響が予想される。

ユン・ヨチョル現代自動車副会長（労務総括、６３）は１６日、中央日報のインタビューで、「ますます激しくなるグローバル自動車市場で、従来の年功序列制度をそのまま維持すれば、トヨタなど競合他社をリードするのは難しい」とし「裁判所の判決とは関係なく、昨年の賃金団体交渉で労使が合意した通り３月末までに改編案を出す計画」と明らかにした。また「今後、年功序列から抜け出し、生産性中心の新しい賃金体系の準備に取り組む計画」と話した。

これに関し、現代車は勤続年数に基づいて賃金が上がる号俸制をなくし、熟練度・生産性・勤務態度などを反映した新しい年俸システムを出す方針だ。現代車の関係者は「今までは不良率、１時間あたりの生産台数など各種生産性指標が落ちる勤労者にも、年功序列に基づき毎年賃金を引き上げる方式だった」と説明した。


現代車は現在、米国式またはドイツ式制度のうちどちらがより生産的な制度かベンチマーキングしながら改編案を最終調整している。現在、ドイツ・米国など先進国自動車メーカーは年功序列方式ではなく、徹底的に成果中心の賃金体系を導入・施行している。これに関し、現代車労組も使用者側と共同で先進国の賃金体系を学習する目的でドイツ・フランスの自動車工場を訪問した。

現在、ゼネラルモーターズ・フォード・クライスラーなど米国の自動車３社は時給（約１万８０００ウォン）を韓国（約１万１０００ウォン）より高く支払う代わりに、賞与金・休暇の費用など韓国式手当は賃金体系から除外している。会社の営業利益に比例させて勤労者に成果給を支給している。

ドイツは勤労者賃金グループを１０等級に分け、熟練度に基づき賃金を差別支給する。ドイツ自動車業界の関係者は「勤務時間が長いからといって賃金をより多く支払う理由はない」とし「会社は勤労者がする仕事と営業成果に基づいて賃金を与えるべき」と説明した。

一方、現代車は政労使委員会交渉スケジュールとは別に、労使間の直接交渉で通常賃金をはじめとする賃金問題をすべて終える方針だ。現代車側は「政労使委とは別に現代車は現代車労使が自発的に問題を解決する」と説明した。

◆年功序列型賃金体系＝勤労者の勤続年数に基づき賃金が毎年自動的に引き上げられるシステム。高齢化による定年延長傾向のため、会社の立場では生産性とは関係なく費用が増える問題点がある。