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【グローバルアイ】「最後の一葉」と冨田尚弥氏

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
東京の街路樹が、抱えていた赤いものを最後の1枚まで吐き出している。葉を落とした木は、やせこけた両腕を広げたまま待ちぼうけを食らっている。窓の外のツタを見ながら運命を直感した女流画家ジョンジー。彼女が肺炎にかかって病床に伏したのも、冷たい風が吹いていた11月のこの時期であった。オー・ヘンリーの小説『最後の一葉』で、無名の老いた画家は1枚残った葉が落ちれば死ぬと信じていたジョンジーのためにトリックを使う。雨が勢いよく降った日の夜、暴風雨にもびくともしない暗緑色のツタの葉っぱを、壁にこっそりと描く。消え行く生命の火種を生き返らせて、自分自身は肺炎にかかって亡くなる。

「あなたはしばしば嘘をつきますか?」。予期せぬ質問を受けると頭が混乱する。『最後の一葉』を思い出して「嘘やトリックは全て悪いこと」だという固定観念から少し自由になる。「はい」と答えることが「いいえ」と言うよりも良心的なのかもしれないという思いになる。日本の内閣府が昨年、13~29歳の日本と外国の若者たちを相手に意識調査をした。「しばしば嘘をつきますか?」と尋ねると日本人の28.9%が「はい」と答えた。英国の27.6%、韓国27.2%、米国23.3%の順で「はい」という回答が出てきた。「日本人は嘘が上手だ」と単純に一般化することにはならない。詐欺・横領・背任のような嘘関連の犯罪発生率は日本が相対的に低い。ただし嘘に比較的寛容な日本人の特性があらわれたという分析が多い。

日本には「嘘も方便」という言葉がある。時には、正直よりも白い嘘がより良いということだ。「嘘から出たまこと」という言葉も使う。明治大学国際日本学部の鈴木賢志教授(社会心理)は、『週刊東洋経済』に掲載した文で「他人との調和を重視する日本人が、意見衝突を避けるために嘘をつく傾向がある」とした。相手の好みが自身と違っていても、胸の内を隠したまま「同じ」と話すということだ。彼はこれを「同調性の圧力」と指摘した。


日本でこの頃、嘘論争が熱い。仁川(インチョン)アジア競技大会の時に韓国人カメラマンのカメラを盗んだ疑いを受けている元水泳代表の冨田尚弥氏が潔白の主張に出ながらだ。罰金100万ウォンを払って日本に戻り、1カ月も過ぎてから遅れて「カメラを盗んでいなかった」として無実を訴えた。世論は冷たい。人気コメディアンの松本人志(51)は「○か×の2つのうち1つを選ぶなら、×を与えるしかない」として嘘のほうに重きを置いた。歌手の和田アキ子(64)は「寃罪をこうむったなら大変だが、そうでないならしっかりしなさい」と忠告した。

仁川地方裁判所は冨田氏に「異議があれば正式裁判を請求せよ」として略式命令の謄本を送る計画だ。堂々とするならば裁判を通じて明らかにすれば良い。本人の名誉回復のためにも堂々と出る必要がある。ひょっとして一瞬を免れようとすることならば、韓国はもちろん比較的嘘に寛大な日本でも決して許されるものではない。

イ・ジョンホン東京特派員



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