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ノーベル化学賞、生きた細胞分子見る「ナノ顕微鏡」開発

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

上からエリック・ベッチグ博士(54)、ウィリアム・モーナー教授(61)、シュテファン・ヘル博士(52)。

顕微鏡製作理論を初めて科学的に確立した19世紀ドイツ物理学者エルンスト・アッベは「光学顕微鏡の解像度は、最大0.2マイクロメーター(um、1um=100万分の1メートル)が限界」と宣言した。0.2マイクロメーターは光の波長の半分にあたる。これより小さいものは顕微鏡では見られないというのが、しばらく定説だった。しかし光学顕微鏡の限界を跳びこえる蛍光顕微鏡技術を開発した米国とドイツの科学者に今年、ノーベル化学賞がもたらされた。

スウェーデン王立科学院ノーベル委員会は8日、蛍光分子とレーザーを利用して「ナノ(nm、1nm=10億分の1メートルで髪の毛の太さの10万分の1)顕微鏡」時代を切り開いた米国ハワード・ヒュース医学研究所のエリック・ベッチグ博士(54)、米スタンフォード大学のウィリアム・モーナー教授(61)、ドイツのマックス・プランク生物物理化学研究所のシュテファン・ヘル博士(52)をノーベル化学賞受賞者に選んだと発表した。

人が事物を見ることができるのは、光と相互作用をするからだ。だが事物の大きさが光の波長の半分よりも小さくなると、こうした相互作用が起きない。光学顕微鏡で0.2マイクロメートル以下の事物を見られない理由だ。


ベッチグ、モーナー、ヘルの3氏はそれぞれ誘導放出制御(STED)顕微鏡、単一分子顕微鏡の技術を開発して限界を克服した。STED顕微鏡は、穴があいた「ドーナツ」形のレーザーを使う。ナノの穴の間に抜け出す光を利用して分子を見る。単一分子顕微鏡は、反復撮影技法を利用する。同じ位置に繰り返しレーザーをあてた後、その時その時に出てくる「光の絵」を合わせて分子の全体イメージを得ることだ。

蛍光顕微鏡のおかげで人類は生きたウイルス(100ナノメートル)や蛋白質(10ナノメートル)、低分子(1ナノメートル)を観察できるようになった。電子顕微鏡を使ってもこの程度の大きさを見ることはできるが、電子顕微鏡は極低温状態だけで使える。このため「死んだ」冷凍細胞の観察だけに使われる。

中央(チュンアン)大学化学科のソン・ジェヨン教授は「3人が開発した顕微鏡のおかげで生きた細胞の動力学研究が可能になった」と説明した。

一方、グローバル学術情報会社トムソン・ロイターは、基礎科学研究員(IBS)ナノ物質・化学反応研究団のユ・リョン団長の化学賞受賞が有力だと予測していたが、受賞者リストに入ることができなかった。



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