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ノーベル化学賞有力候補ユ・リョン氏「私の“ナノ蜂の巣”研究は純粋な韓国産」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ユ・リョン基礎科学研究院(IBS)団長は化学産業の触媒に使われるメソ多孔性物質合成の大家だ。ユ団長が大田(テジョン)のKAIST研究室で蜂の巣に似たゼオライト分子模型を覗き見ている。(写真=キム・ソンテ)

「これはスズメバチの巣、向こうの蛇の抜け殻のように見えるのはアシナガバチの巣です」

大田(テジョン)KAISTのユ・リョンIBS研究団長の実験室。25日、トムソン・ロイターが韓国人初のノーベル化学賞受賞が予想されるとして選んだ彼の実験室には乾燥した蜂の巣がいくつかあった。ユ団長は「学校のあちこちにぶらさがっているのを自分で取って集めたもの」と話した。「放っておけば人を刺す可能性もあるのではないか。ここには私以外にこういうものを取ることができる人がいない。私は幼い時にオオスズメバチも素手でつかんでいたのだが…」

ユ団長の話のように彼はKAIST内でもまれに見る「ど田舎」出身だ。京畿道華城(キョンギド・ファソン)の実家には彼が大学(ソウル大工業化学科)に入学してから2年後に電気が入った。勉強は油皿に火を灯してやった。


高校〔水原(スウォン)高〕の時は「法学部に行け」という両親の言葉で文系を選択した。だが、独学で入試の準備をして大学は理系に進学した。生物学を勉強したかったが就職が容易だという工学部に行くしかなかった。やはり両親の意向だった。卒業後には肥料工場に就職しようとしていた。科学者を夢見ることになったのは学費を免除して兵役に特典を与えるというので韓国科学院(現KAISTの前身)に進学してからだ。

蜂の巣がユ団長にとって特別な理由は他にもある。ユ団長は石油化学工程などに触媒として使われる微細多孔性物質を作っている。表面・内部にナノ(nm、1nm=10億分の1m)サイズの穴が細かくあけられた物質だ。分子構造がちょうど蜂の巣に似ている。ユ団長にとって蜂の巣は自身の過去と現在をつなぐ格別な対象であるわけだ。その蜂の巣を前に置いてノーベル賞受賞が予想される研究者として選ばれた感想を尋ねた。

「先週のヨーロッパ出張中に初めて知らせを聞いた。個人的な喜びより韓国社会にもたらす意味がより大きいと考える」

韓国の経済規模(2013年GDP基準経済規模)は世界14位だが基礎科学水準は30位圏だ。日本が16人の科学分野のノーベル賞受賞者を輩出する間、韓国は受賞者どころか候補名簿にも入れなかった。ユ団長は「今回、韓国の科学者もノーベル賞を受けるほどの水準に上がったという事実を国際的に公認されたのではないか。実際に賞を受けても受けなくても韓国社会が『ノーベル賞コンプレックス』を少しでも抜け出すのに助けになるだろう」と話した。

ユ団長は米国スタンフォード大学で金属ナノ粒子を利用した触媒現象を研究し、博士号を授与された。しかし、帰国後には無機化合物の合成にかかりきりになった。1993年に日本で開かれた学会に行ってメソ(meso、中間、2~50nmの大きさ)多孔性物質に初めて接してからだ。今回ユ団長とともにノーベル賞候補に選ばれたサウジアラビアの石油会社アラムコの最高技術責任者(CTO)チャールズ・クレスジ(Charles Kresge)が合成したゼオライトだった。



ノーベル化学賞有力候補ユ・リョン氏「私の“ナノ蜂の巣”研究は純粋な韓国産」(2)

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