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【時論】「秋夕の民心」世論調査、実体を正しく見よう(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「秋夕(チュソク、中秋)の民心というのは、もともとあるのですか。米国でも感謝祭の時に『収穫感謝祭の民心』のようなものがありますか」。

単語の実体がないのに、まるで何かあるかのように報道する形態を指摘した知人の質問だ。果たして秋夕の民心というのはあるのだろうか。今回の秋夕の民心は何だったか。実体が曖昧な秋夕の民心を取りまとめるために、今年も確実に世論調査が実施された。またさまざまな議員がマスコミの報道用に地方外出に出た。民心はいつも存在する。だが、ただ民心であるだけで、秋夕だからといって大きく変わりはしない。たとえあったといっても間違って集まる場合が多い。まず、秋夕連休の時に調査を実施することには問題がある。秋夕連休は民族大移動の時期だ。多くの国民が留守にしていた故郷を訪れたり友人・知人らに会ったりする。最近では海外旅行など余暇を過ごす家庭も少なくない。この期間に家の有線電話で世論調査を行うというのは、標本の代表性の確保レベルでは不適切だ。

さらに先月30・3日に実施しておいて秋夕の民心だと報道した所もある。正しくすることよりも、ほかの人々より一歩先に報道する形が当然のように受け入れられている。これらの報道機関に世論調査の結果の正確性や信頼性は、最初から問題ではなかった。だから勝手に調査して、ほかの人々よりも先に発表する。ARS調査ならばどうであり、携帯電話の調査ならばどうなのかという態度だ。名節連休に家のことで忙しい主婦面接員を動員する調査機関も問題だ。調査倫理はもちろん面接員と回答者の状況のために発生しうる非標本(Non-sampling)の誤差を安易に無視する。「お金さえ払えばどんな調査でもすべてする」と考えているのか。


国会議員が伝える底辺の民心も、やはり我田引水式の解釈から抜け出せずにいる。去る地方選挙の時に選挙運動を助けてくれた支持者に挨拶しながら聞いた話は、世論らしい世論ではない。与野党政界全体に対する強い批判と政治本来の役割を要求するという話は毎年繰り返されてきた総論だ。今年はセウォル号特別法の合意処理を要求したという程度が新しく追加されただけだ。与野党の相手方に対する責任論の提起を超えて、さらに各論と細部の実行案を導き出すためには厳密で多様な方式に立った大々的な世論の取りまとめが切実だ。

結論的には、秋夕の民心に対する期待を捨てるべきだ。大統領選挙があった年には秋夕の民心が特に注目を浴びてきたが、世論に敏感だった当時でさえも変化がほとんどなかった。秋夕の民心は別になかったという話だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)-李会昌(イ・フェチャン)候補が薄氷の争いを繰り広げた2002年の16代大統領選、ハンナラ党李明博(イ・ミョンバク)候補が開かれたウリ党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補に大きく先んじた2007年の17代大統領選、安哲秀(アン・チョルス)議員が突然現れて選挙戦を揺り動かした2012年18代大統領選の時の秋夕も同じだった。



【時論】「秋夕の民心」世論調査、実体を正しく見よう(2)

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