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【社説】遺族の前に遮られたセウォル号合意案

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
深い沼にはまっていた国会が一歩ずつ前に動いていたが、セウォル号遺族たちの反対に直面した。与野党の院内代表は臨時国会最終日である昨日、セウォル号特別法案に合意して議員総会に追認を要請したが、新政治連合議員総会はセウォル号遺族の顔色ばかりうかがって追認を保留した。遺族たちはこの日の夕方、「与野党院内代表の特検推薦に関する合意に反対する。再交渉を要求する」と明らかにした。

セウォル号特別法案は7日にあった「李完九(イ・ワング)-朴映宣(パク・ヨンソン)1次合意」を新政治連合議員総会が4日後に一方的に破棄しながら路頭に迷った。野党は伝家の宝刀のごとく「法案連係戦略」を持ち出して重要もしくは緊急なほかの法案まで漂流させた。この過程で朴映宣・非常対策委員長のリーダーシップは地に落ち、新政治連合の親盧派や486世代勢力、ポピュリスト政治家たちの「運動圏的な闘争政治」が非難された。第一野党の無信頼・無責任な形態は国民の記憶の中に長く残ることになるだろう。

昨日、妥結直前まで行った「李完九-朴映宣の2次合意」は、1次合意の時よりも遺族と野党の立場にはるかに近寄った案だった。セヌリ党はほとんど白旗降参するように譲歩した。特別検査推薦委員会は7人で構成されるが、常設特検法と国会規則上の与党持分となっている2人を選定する際に野党と遺族の事前同意を受けるものとしたのだ。こうなれば野党と遺族の実質的な推薦持分が過半数の4人に増え、特検を事実上遺族が指名することになる。野党と遺族は、特検以前の段階で1~2年活動することになる真相調査委17人でも過半数を占めている。セウォル号の真相調査と捜査・処罰に関する限り、遺族がほぼ完ぺきに主導権を握ることができる構造だ。


セヌリ党がこれほど破格的に譲歩した案に対してさえ遺族が反対を明らかにし、野党が合意案の追認を先送りしたのは残念なことだ。遺族たちは国会規則上2人を与党が推薦することになっていること自体を拒否した。遺族たちは与党が2人に対する形式的な推薦権さえ放棄してこれを遺族に渡すよう要求した。そうでなければ真相調査委に4人を推薦できる権限を求めて主張した。遺族たちは「セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表に遺族対策委がガイドラインを与えたが、李完九-朴映宣合意案で貫徹されなかった」と不満を吐露した。遺族の痛みを十分理解するにしても、遺族たちの態度と立場は受け入れ難い。国家の立法権は厳格に国会にあるのに院内1・2党の代表が2回にわたって合意した内容を無視する程度が行き過ぎている。李完九-朴映宣合意案の根拠法である常設特検法は、今年6月の与野党の合意で特検推薦委員のうち4人を国会が指名するよう規定している。2人を遺族が推薦しなければならないとか、4人を真相調査委が推薦するべきだとの主張は明らかに違法的だ。新政治連合も院内130席を持つ巨大政党として、与えられた立法権を行使できずに顔色ばかりうかがっていて痛々しい。遺族を説得できない野党に失望してしまう。



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