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【時論】セウォル号を見てカトリーナを振り返る(1)=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
旅客船「セウォル号」の惨事で、国民全員が悲しみに暮れている。今回の事件は「総体的手抜きが招いた人災」という点で遺憾を越え、悲痛を隠すことができない。二度とこの地でこうした悲劇が繰り返されてはならない。そのために最も急ぐべきことは何だろうか。多くの人々が災難対応システムの再整備を挙げる。しかしハードウェアだけを改めて安全が保証されるわけではない。根本的な意識変化と骨身を削る努力が伴わない限り「安全韓国」は期待しにくい。

2005年8月、米国も今世紀最悪のハリケーン「カトリーナ」惨事を経験した。当時、筆者は現地総領事として災難現場の真ん中で同胞に対する避難および救護活動を行い、米国政府が災難に対処する姿を見守った。一言で“総体的乱脈”だった。時速250キロの強風を伴ったハリケーン・カトリーナによって堤防が決壊し、美しいジャズの故郷ニューオーリンズは都市全体の80%が浸水した。1836人が死亡し、行方不明者を合わせれば2500人以上の人命被害を招いた大惨事だった。それでも災難地域に居住する数千人の同胞はけが人さえ一人もいなかった。現地公館を通した迅速な初動対処が生んだ奇跡だった。

ニューオーリンズは70%が海水面より低い。水が流入すれば都市全体が水に浸る。それでも米国政府は予防措置を取らず、災難への対応も怠慢だった。こうした点でニューオーリンズの惨事は人災だった。当時現地でハリケーン・カトリーナ救護経験を書いた『危機の72時間』という本にあるように、72時間、すなわち3日間は災難に対応する最後の時間だ。その時間内に国家指導者と災害関連機関の迅速な政策決定がなければ、大規模な災難を招くという意味だ。


ニューオーリンズの惨事はかなり以前から予想されていた。連邦緊急事態管理庁(EFMA)は2001年の報告書で、将来起きる可能性がある惨事として、サンフランシスコ大地震、ニューヨーク市へのテロ攻撃、ニューオーリンズのハリケーンの3つを挙げ、このうちニューオーリンズのハリケーンが最も致命的だと警告した。しかしイラク戦争で防災予算が削減され、ハリケーンへの効率的な対応が進められなかった。不幸にも予言は的中した。同年に恐るべき米同時多発テロが発生し、4年後にはニューオーリンズの大惨事が起きた。



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