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【社説】育ちゆく世代に配慮しない韓国社会

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1948年の建国以来、セウォル号は悲劇性では最も衝撃的な事故だ。死亡者の数を見れば三豊(サンプン)デパート(501人)が最悪だ。船の事故も1950~70年代に300人以上が死亡した事例がある。それでもセウォル号が最も悲劇的なのは「高校生」のためだ。これほど多くの高校生がこうして長い間、海に閉じ込められている。世界的にも前例のない衝撃だ。2000年8月、ロシアの原子力潜水艦クルスク号が爆発で海の下に沈んだ。将兵118人が水中に閉じ込められた。それもむごい事故だった。だが軍人と高校生では衝撃の感度が違う。

このような悲劇性が珍島(チンド)を飲み込んでいる。彭木(ペンモク)港で最も激しい声は、子供の遺体を迎える母親の号泣だ。人間が出せる最もすさまじい泣き声だ。ここで最も静かな姿はある母親だ。海を眺め、ぼうぜんと岩のように座っている。外信記者が静かにシャッターを押した。この写真は世界の人に、セウォル号のひどすぎる悲劇性を伝えるだろう。育ちゆく世代を殺す既成世代(中高年世代)…。珍島体育館で最も残酷な物は、死体説明書だ。左下奥歯に金歯1個、右あごのほくろ、額のにきび、左手に白い腕時計、右足首のひも…。母親が分かりうる、いや母親だけが分かっている。

韓国は、育ちゆく世代に対する配慮が不足している。米国の学校前の道路には時速25マイル(約40キロ)の表示がある。違反すれば罰金が通常の10倍以上だ。車はのろのろと進む。韓国では、何人が子供の保護区域規定を守っているだろうか。学生30人余りを連れてニューヨークで演劇鑑賞に行くのに米国の先生は1時間の安全教育を行うという。韓国には、このような学校があるだろうか。


だから、このような共同体では生徒たちがたむろして死んでしまう。1999年、青少年修練院シーランドで火災が起こって幼稚園児19人が亡くなった。子供たちの宿舎は火がつきやすい素材だった。2月、慶州リゾート施設崩壊では大学の新入生9人が亡くなった。リゾート施設は典型的な不良工事だった。昨年7月、忠淸南道(チュンチョンナムド)の私設海兵隊キャンプで高校生5人が亡くなった。「ライフジャケットを脱げ」という教官の言葉に、学生たちはおとなしく従った。

事故が起きれば人が死ぬ。しかし大人と子供は違う。子供たちは弱くて純真だ。だからこそ共同体が特に配慮しなければならない。同じ船でも、修学旅行団体が乗っていれば少しでも違わなければならない。もう一度検査をして、少しでもより安全に運航しなければいけない。平常時にはしなくても「生徒たちがいるから」、事故対処方法を教えなければならない。同じリゾートでも学生たちが来るなら、もう一度点検しなければならない。より多く屋根の除雪をしなければならない。もちろん安全の前ですべての人間は平等だ。だが女性と子供は違う。差別ではなく区別だ。彼らを先に救命艇に乗せるのは彼らが弱者であり、共同体の未来だからだ。

セウォル号は展示されるべきだ。社会の不良と無責任を告発し、育ちゆく世代に対する配慮を雄弁に語る象徴として永遠に残さなければならない。



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