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【コラム】安倍政権の極右ポピュリズム、日本の理想と良心が切実(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「安らかに眠って下さい。過ちは繰返しませぬから」。広島平和記念館の慰霊碑に刻まれた碑文だ。だれのどんな過ちを言うものなのか。慰霊碑の横に置かれた英文の解説には「私たちの悪行」(We shall not repeat the evil)と翻訳されている。碑文を書いた雑賀忠義も「広島市民であり世界市民である私たちの過ち」と断言した。戦争を起こした日本の罪悪を悔いるという意味だ。平和記念館は原爆投下時に破壊された旧商業展示館の建物で、1996年にユネスコ世界文化遺産に登録された。恐るべき核爆弾の傷をそのまま大事に保存した平和の象徴、その逆説の現場だ。

しかし慰霊碑の文面を異なる解釈で読む日本人がとても多いようだ。戦争を起こしたのが過ちではなく、戦争に負けたことが過ちだと嘆く人たち、再武装を夢見る軍国主義者たちだ。彼らは大和魂を口にしながら暮らす。日本固有の民族精神というが、天皇に忠誠を尽くし臣民の魂を燃やすという前近代的国粋主義を超えることはできない。

どのように臣民の魂を燃やすのか。侍は腹を切る。腹切り。刀で自分の腹を切り、だれかが後から首を切る猟奇的自殺方式だ。極度の苦痛を悲壮なほど沈着で洗練された身振りの中に秘めた死の祭儀、自らの死に他人を共犯として引き込む集団的破滅意識だ。『金閣寺』の作家三島由紀夫は軍国主義の復活を叫び自ら腹を切った。死の魂を呼ぶマゾヒズムのカルト、陰鬱な死の賛美だ。


神風特攻隊員は自殺攻撃直前に日本刀で自分の腹を切った後に戦闘機とともに連合軍の軍艦を襲った。神風特攻隊を創設し3843人のあどけない青少年を自殺特攻の道具とし、数多くの連合国将兵を犠牲者に引き込んだ海軍中将大西瀧治郎も終戦直後に割腹自殺した。

死の狂信徒は1人で死ぬことはない。だれかを死のパートナーや犠牲者としてともに引き込んでいく。一緒に自殺することを心中と呼び名誉に思う。文化人類学者ルース・ベネディクトは日本人の丁重で礼儀正しい姿とその内面に隠された破壊本能を「菊と刀」という相反するイメージで表現した。悽然としたマゾヒズムの中に隠された冷酷なサディズム、平和憲法の裏に潜む戦争本能、歴史教科書の中に隠れた反歴史的ショービニズム…、菊と刀だ。

歴史小説家の司馬遼太郎は日露戦争から太平洋戦争までの大正・昭和時代を「鬼胎」と呼んだ。神州不滅の幻想に陥り無謀に侵略戦争を行った日本は核爆弾で凄惨な終末を迎えた。軍国主義は生まれてはならなかった鬼胎、邪悪な死の魂だった。



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