北朝鮮民主化ネットワークのキム・ヨンファン研究委員は、「北朝鮮は当面金正恩(キム・ジョンウン)1人体制が維持され、張成沢(チャン・ソンテク)派の粛清は1000人未満で終わるだろう」と予想した。キム委員は20日、中央SUNDAYとのインタビューで、「張成沢処刑は彼の立ち位置が危険水準と判断した金正恩の独自の判断によるもの。金正恩が北朝鮮の国政の軸に位置し、当面は崩壊する可能性はないように見える」と話した。主体(チュチェ)思想派学生運動の元祖から北朝鮮人権運動家に転向したキム委員は、韓国で北朝鮮に対する理解が最も深い人物の1人に挙げられる。彼が張成沢処刑後の北朝鮮情勢について口を開いたのは初めてだ。
――張成沢はなぜ処刑されたと考えるか。
「金正日は金正恩を後継者に内定した2007年から自身が2011年12月に死去する時まで金正恩に権力維持のための用人術を助言したという。張成沢と李英鎬(イ・ヨンホ)前北朝鮮軍総参謀長に役割を任せて助けを受けるが、彼らの立ち位置が一定水準を超えたと判断すれば必ず倒さなければならないと教えただろう。金正恩が昨年李英鎬を粛清したのに続き今年張成沢を処刑したのはそうした脈絡から行われたものとみられる。すなわち『いまや叔母の夫の立ち位置や勢力は危険水準だ』と判断して倒したという話だ」
――張成沢に明確なクーデター容疑があるからではなく、自らの判断により処刑したということか。
「張成沢に死刑を宣告した判決文を見ると特別な罪状はない。北朝鮮は内乱陰謀容疑者をとても厳しく拷問し、もっともらしい罪状を引き出すことで有名だが、張成沢の判決文にはそうした具体的な内乱陰謀の内容は見られない。金正日が長い間の政治経験の末に確保した“危険水準”の感覚と金正恩の“危険水準”の感覚が異なり張成沢を性急に処刑したのかもしれないという話だ。金正恩は自身に唯一所信のある助言ができる核心助力者を早期に喪失した格好になる。これは彼に致命的な損失になりかねない」
――金正恩に張成沢粛清をそそのかしたり圧迫した勢力があるという分析もある。それが正しければ北朝鮮の実力者はその勢力ではないか。
「金正恩に張成沢の問題点を報告した存在は明らかにあるだろうが最終決定は金正恩自ら下しただろう。それが北朝鮮の体制だ。また、張成沢の“問題点”も、ないものがねつ造されたり、わい曲・誇張されて報告されてはいないだろう。金正日は自身にわい曲・誇張報告した幹部を容赦なく粛清した。部下の虚偽報告で指導者が現実を正しく見ることができないのが独裁体制の最大の弱点であることを金正日が知っていたためだ。金正恩もそうした教育を受けた可能性が大きい」
――張成沢の死亡で北朝鮮の権力体制にできた空白を軍部や崔竜海(チェ・ヨンヘ)が埋めるだろうという観測はどのように見るか。
「北朝鮮には集団的な意味の“軍部”は存在しない。崔竜海も同様だ。張成沢が残酷に処刑されるのを見て自身も絶対にナンバー2と見られてはならないと判断しただろう。したがって当分北朝鮮は金正恩1人体制になるほかない」
――金正恩1人体制は今後どのように回っていくだろうか。
「金正恩の権力への意志は確固とするだろう。金正日が金正恩の権力への意志を評価し相当期間教育したためだ。しかし国政戦略は教育したからとできるものではない。金正恩が権力を握った2年間にやってきた措置を見れば戦略的一貫性はひとつもない。平和・開放と挑発・閉鎖を行ったり来たりした。今後もこうした矛盾した動きが続く可能性がある。核開発と経済発展の並進路線をひとまず維持していくとみられ、挑発よりは内政に注力するものとみられる。韓国や米国に対話のジェスチャーを見せ、支援を引き出すため中国に融和攻勢をかける可能性が大きい」(中央SUNDAY第354号)
「金正恩執権後の国政戦略に一貫性はまったくない」(2)
――張成沢はなぜ処刑されたと考えるか。
「金正日は金正恩を後継者に内定した2007年から自身が2011年12月に死去する時まで金正恩に権力維持のための用人術を助言したという。張成沢と李英鎬(イ・ヨンホ)前北朝鮮軍総参謀長に役割を任せて助けを受けるが、彼らの立ち位置が一定水準を超えたと判断すれば必ず倒さなければならないと教えただろう。金正恩が昨年李英鎬を粛清したのに続き今年張成沢を処刑したのはそうした脈絡から行われたものとみられる。すなわち『いまや叔母の夫の立ち位置や勢力は危険水準だ』と判断して倒したという話だ」
――張成沢に明確なクーデター容疑があるからではなく、自らの判断により処刑したということか。
「張成沢に死刑を宣告した判決文を見ると特別な罪状はない。北朝鮮は内乱陰謀容疑者をとても厳しく拷問し、もっともらしい罪状を引き出すことで有名だが、張成沢の判決文にはそうした具体的な内乱陰謀の内容は見られない。金正日が長い間の政治経験の末に確保した“危険水準”の感覚と金正恩の“危険水準”の感覚が異なり張成沢を性急に処刑したのかもしれないという話だ。金正恩は自身に唯一所信のある助言ができる核心助力者を早期に喪失した格好になる。これは彼に致命的な損失になりかねない」
――金正恩に張成沢粛清をそそのかしたり圧迫した勢力があるという分析もある。それが正しければ北朝鮮の実力者はその勢力ではないか。
「金正恩に張成沢の問題点を報告した存在は明らかにあるだろうが最終決定は金正恩自ら下しただろう。それが北朝鮮の体制だ。また、張成沢の“問題点”も、ないものがねつ造されたり、わい曲・誇張されて報告されてはいないだろう。金正日は自身にわい曲・誇張報告した幹部を容赦なく粛清した。部下の虚偽報告で指導者が現実を正しく見ることができないのが独裁体制の最大の弱点であることを金正日が知っていたためだ。金正恩もそうした教育を受けた可能性が大きい」
――張成沢の死亡で北朝鮮の権力体制にできた空白を軍部や崔竜海(チェ・ヨンヘ)が埋めるだろうという観測はどのように見るか。
「北朝鮮には集団的な意味の“軍部”は存在しない。崔竜海も同様だ。張成沢が残酷に処刑されるのを見て自身も絶対にナンバー2と見られてはならないと判断しただろう。したがって当分北朝鮮は金正恩1人体制になるほかない」
――金正恩1人体制は今後どのように回っていくだろうか。
「金正恩の権力への意志は確固とするだろう。金正日が金正恩の権力への意志を評価し相当期間教育したためだ。しかし国政戦略は教育したからとできるものではない。金正恩が権力を握った2年間にやってきた措置を見れば戦略的一貫性はひとつもない。平和・開放と挑発・閉鎖を行ったり来たりした。今後もこうした矛盾した動きが続く可能性がある。核開発と経済発展の並進路線をひとまず維持していくとみられ、挑発よりは内政に注力するものとみられる。韓国や米国に対話のジェスチャーを見せ、支援を引き出すため中国に融和攻勢をかける可能性が大きい」(中央SUNDAY第354号)
「金正恩執権後の国政戦略に一貫性はまったくない」(2)
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