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【BOOK】18世紀東アジア、日本と韓国が分かれた地点…『日本蘭学の開拓者、杉田玄白』

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

『日本蘭学の開拓者、杉田玄白』イ・チョンガク著、西海文集、280ページ、1万2900ウォン(約1200円)

壬辰倭乱(文禄の役)後、日本の覇者になった徳川家康は幕藩体制を作っていわゆる江戸時代(1603~1867)を開いた。武士が支配した日本の江戸時代を見るたびに理解できないいくつかの疑問があった。

1つは幕府の将軍が全国を統治しているのに、なぜあえて天皇が必ず存在するべきだったのか、またもう1つは民を完ぺきに統制しながら海外からの鎖国政策に固執していた幕藩体制に、どのようにして西洋学問が入ってきて栄えたのかであった。

イ・チョンガク東洋(トンヤン)大学教授のこの本は、少なくとも後者の疑問を解くに値する。徹底して閉じられていた日本にどんな経路で異質な知識が入ってきて「蘭学」という学問まで成長できたかを分かりやすく説明している。蘭学の蘭はオランダを意味するが、オランダは日本で古くからオランダ(Holanda・スペイン語)と発音され、漢字では和蘭と表記された。


この本は杉田玄白(1733~1817)という医師が、西洋の解剖学の本を見て感動したあげく、何人かの同僚らと紆余曲折の末に日本語で翻訳して『解体新書』を出版するエピソードを面白く解きほぐした一種の伝記だ。一介の藩医(大名などを診療する医師)だった玄白が、職人精神と新しい知識への強烈な好奇心で、社会にどれほど大きな波紋を起こしたかを如実に見せる。

同時に玄白のエピソードについて沿ってみると江戸時代の各種の風物に出会うことになる。この本の妙味もここにある。実際に著者は、韓国人にとってなじみの薄い江戸の社会を分かりやすく案内し、必要に応じて韓日中を比較してより明確な理解を助けている。日本が韓国とどれくらい、どのように違った社会であったかを実感することになる。

いわゆるストーリーテリングの力だ。すでに何冊もの本を執筆し、長年の記者生活を通じて鍛練された著者ならではの技法が一役買っている。曖昧だったり抽象的だったりする表現を極度に自制する代わりに、正確な根拠、具体的な統計や数値などを提示することによって読者が江戸時代の重要性を易しく把握できるようにした。

この本を読むと「それなら朝鮮は西洋文物をどのように受け入れたのだろうか」ということが気になる。著者はこれを予想でもしたかのように、最後を朝鮮のために割いている。「隣が嫌いなら引っ越しせばいいが、隣国は嫌いだからといって引っ越しもできない」という韓国と日本の宿命的関係を望ましく解決していくためには「お互いが相手方についてまず事実の通り正しく知ることが重要だ」と話す。著者が堅持してきた客観的見解を再確認することになる。

趙明哲(セヌリチョ・ミョンチョル)高麗(コリョ)大学史学科教授



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