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【社説】過去最大の個人回生申請に注目すべき=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
借金をまともに返済できず破綻に直面した債務者が主に利用する「個人回生制」の申請者数が今年過去最大規模を記録する見通しだ。金融業界と裁判所統計月報によると、今年に入り7月までの個人回生申請者数は6万1446人で、1年前より16.3%増えた。個人回生申請者は2010年に4万6972人を記録してから、経済成長が鈍化し2011年に6万5171人、2012年に9万378人と増え続ける傾向だ。このまま進むと今年は過去最大記録を書き換えるだろう。

「借金を減らしてほしい」として裁判所に申請する個人回生制は、信用不良者の債務を減らす個人ワークアウト制度とともに、借金を到底返すことはできない人たちを救済する最後のセーフティネットだ。個人回生制を利用する人が急増したのは、それだけ民生経済が厳しくなっているという傍証だ。最近海外の報道機関と外資系投資銀行が相次いで韓国経済を好評価したことも色を失わせる。

こうした状況の背景には、雪だるま式に増えている個人負債がある。韓国の個人負債は第2四半期に過去最高水準の980兆ウォンまで急増した。1世帯当たり平均5654万ウォンとなる。その上個人負債規模はすでに可処分所得の1.36倍を超えており、借金返済能力を最初から喪失した人も少なくない。物価上昇率に失業率を加え国民の生活苦を示すいわゆる「経済不幸指数」にいまでは金融負債延滞率も入れなくてはならないほどだ。韓国経済の大きな柱だったベビーブーマーが早期退職後の対策もなく自営業にばかり集まる現象も個人負債という難題をさらに難しくさせる。店を構えるのに多額の金を借りたが不況の罠にはまりこれをまともに返せないまま廃業する悪循環が重なっているからだ。


玄オ錫(ヒョン・オソク)副首相は7月の国会で、「現在の個人負債はまだ危機状況ではない」と答えた。朴槿恵(パク・クネ)政権になり税制改編や創業活性化など大規模な対策があふれたが、個人負債問題を緩和しようとするロードマップはまだ見られない。庶民の借金軽減のため意欲的に設立した国民幸福基金だけでもその規模は当初の18兆ウォンから8000億ウォンに大幅に減った。8月末に出された不動産対策は住宅購入資金や住宅保証金を金融貸付で解決すると方式なのでかえって借り入れをあおっているとの指摘も出る。

個人負債対策と関連しては信用福祉委員会、国民幸福基金、マイクロクレジットなどに分かれている庶民金融機関の統合を1日も早く推進し総合対策をまとめることが望ましい。不良負債を専門に処理するバッドバンクの設立も積極的に検討しなければならない。モラルハザード議論が出ないよう精巧で細かく支援基準をまとめることも重要だ。

家計の財務健全性が維持されてこそ国家経済も健全になる。経済官庁と政界は個人回生申請件数の急増現象を警戒しなければならない。いまからでも政争を終え庶民経済を抱擁する方策を探すために知恵を集めなければならない。(中央SUNDAY第341号)



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