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「韓国の教育への熱意、悪くはないが…全てではない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ベヒナ神父は「良い大学は人生の真の価値が何かを学生たちに尋ねなければならない」と語った。

ローマ法王庁は単にカトリック信仰の中央政府ではない。巨大な教育機関でもある。もちろん直接教えはしない。傘下の教育部で全世界15000校に上るカトリック系大学の教育方針・理念などを掌握する。韓国のカトリック大・西江(ソガン)大などがこれに属している。信仰と理性、2本の軸を基本に専門的な知識を備えるということと同時に、共同体の助けになる能動的な市民を育てるのがカトリックの教育目標だ。

このようなカトリック高等教育の実務最高位職のフリードリヒ・ベヒナ神父(47)が韓国を訪れた。法王庁の教育部次官補である彼は、オーストリア出身だ。ローマのグレゴリアン大学で博士学位を取って、この分野で10年仕事をしている専門家だ。アジア8カ国の44のカトリック系大学の理事長・総長ら関係者たちが参加した中で先月カトリック大(パク・ヨンシク総長)で開かれた総会(ASEACCU)に参加した。

彼の語り口は柔らかかったが、教育哲学は断固としていた。「よく大学ランキング評価で順位の高い大学を良い大学だと考えている人々に、その順位の基準が何かを問うべきた」と話した。


2008年からユネスコ活動をして韓国の教育専門家たちによく会ったという彼は、韓国の教育の現実について手厳しい助言をした。一言でいうと「韓国の激しい入試競争がそれ自体悪いことではない」というのが彼の診断だ。「かえって熱い教育への熱意のおかげで韓国がこれほど経済成長をしたのではないか」と反問した。

問題はそれが全てではないということだ。「人生の真の成就感は、人々が羨望する職業でも高い報酬、行使できる影響力などでも満たされない。かえって誰かから愛された記憶、共同体の中で自身がすることの意味を発見することが、充実した成就感をもたらす」。だから神父は「良い大学は世俗的な成功の向こう側に何があるのか、何が人生の真の価値なのかなどを問わなければならない」とした。

また、大学を選択する人の事情によってどんな大学が良い大学なのかも変わる。「たとえば地球上で最も速いレース用自動車であるF1自動車は優れた車両だが家族旅行に適していないように、良い大学は学生たちの必要に応じてそれぞれ違う」ということだ。

「学歴上位5%の人材を選んで最高の教育をさせる学校よりは、低学歴の学生たちを受け入れて多くの発展を実現できるようにする学校が良い学校ではないだろうか」という話だ。「ある人間が潜在力を十分に開発できるよう手助けすること」を“教育”と定義する彼は「私たちが望む社会は、私たちが今どんな大学を持っているかにかかっている」と強調した。ベヒナ神父は「不満のある教育現実を変えるのは結局、変化の確信を持っている少数の人々」としながら「どんな大学が韓国全体のために良い大学なのか考えてみるべきだ」と助言した。



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