「すれ違い」。激動の韓日関係診断のために中央日報社が用意した添谷芳秀慶応大学東アジア研究所長(58)と申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使(58)の対談の中で、しばしば登場した単語だ。22~24日ソウルで開かれた韓日フォーラムに参加した彼らは、韓日関係が悪循環の枠組みに閉じ込められてすれ違っており、これは両国にとって損害だと憂慮した。
すれ違いは、日本の右傾化に対する認識から始まった。添谷所長は「『日本が右傾化している』という認識は誤っている」として「一部政治家の右傾化の動きを、周辺国では日本全体の指向として受けとめている」と指摘した。それと共に「このような批判に対して日本国民が逆に不満を吐露して悪循環が続いている」と話した。申元大使もやはり「『右傾化』という不確かな概念で日本全体を理解せずに、事案別に対応する姿勢が必要だ」と話した。
韓日フォーラムは韓国国際交流財団・日本国際交流センターが共同主催する定例行事だ。対談は23日午前、ソウル獎忠洞(チャンチュンドン)の新羅ホテルで行われた。
--安倍晋三首相が8月15日、日本の「戦没者追悼式」でアジアの被害者に対する反省と哀悼の意を表明しなかった。
添谷氏=「あれは国内政治用だ。安倍首相の立場としては靖国神社に参拝しないこと自体が十分なメッセージであり、その意味が(韓国に)よく伝わったと思う。韓国の立場では全くそうではないとしてもだ。安倍首相は自身のナショナリズムのために隣国に本人の立場を説明する必要を感じてはいない。靖国参拝をしないことにしたのは安倍氏個人としては大変な決定であっただろう。それでも首相という役割を勘案して自らバランスをとった判断だった。彼の演説は、靖国参拝問題に関した不満勢力を抑えるためだ」
申氏=「1990年代以降、日本政府が歴史問題を再認識するために努力してきたのは事実だ。しかし今日、日本政府は過去の努力に逆らう姿を見せている。韓国人はこの点が不満だ。韓国が望むのは、日本が今まで取ってきた(反省の)立場を翻意せずに過去の歴史の解決姿勢を積極的に見せることだ」
添谷氏=「日本国内では90年代に行われた反省の姿勢を継承するのが正しいと考える政治家が多い。だが、その反対に考える政治家も多い。安倍政権になって90年代の反省の姿勢に不満を持つ政治家たちが中枢に立つことになった。今(日本の内閣で)起きている現象を日本国民全体に拡大するのは問題だ。韓国はそんなふうに解釈しているが、私はないと見ている。安倍氏個人の指向を日本全体のことと認識すべきではない。韓国側がこのような形で解釈して対応すれば、日本国民の反発を買うことになる。結果的に日本国民は『自分たちの政府が話している通りだ』と考えるようになる可能性もある」
申氏=「日本国民全体が、安倍政権の極端な姿に同意しているとは思わない。ただし閣僚や政治家たちの言動は影響力が大きく、慎重を期すべきだ。90年代の日本政府が見せた努力の延長線上にいるべきだ」
添谷氏=「韓国が日本の右傾化をどれくらい問題視して憂慮しているか、日本が認識できないのも問題だ。日本政府はこうした歴史認識自体が韓日関係に否定的になるということを知るべきだ」
--東アジア指導者の外交リーダーシップは、どのような方向に進むべきか。
添谷氏=「韓日中のリーダーは皆、国内政治と世論の担保だ。現状況では彼らに何かを期待するのは難しい。したがって韓日首脳会談が近く開かれることも容易ではない。しかし自由貿易協定(FTA)議論やそのほかの交流は続いている。こんな時は首脳たちは静かに対応するのが良い」
申氏=「日本では韓日会談が必要だとしながらも自分たちの行動がどんな問題を起こすのか理解できていない。まず政治ではない文化など他分野で交流することが重要だ。韓日中どれもナショナリズムが蔓延した状況で、指導者は言動に特に注意しなければならない。とても大きな目標を提示するより、可能な努力を少しずつ行うことが重要だ」
(中央SUNDAY第337号)
知韓派と知日派が話す、韓日関係の解決法(2)
すれ違いは、日本の右傾化に対する認識から始まった。添谷所長は「『日本が右傾化している』という認識は誤っている」として「一部政治家の右傾化の動きを、周辺国では日本全体の指向として受けとめている」と指摘した。それと共に「このような批判に対して日本国民が逆に不満を吐露して悪循環が続いている」と話した。申元大使もやはり「『右傾化』という不確かな概念で日本全体を理解せずに、事案別に対応する姿勢が必要だ」と話した。
韓日フォーラムは韓国国際交流財団・日本国際交流センターが共同主催する定例行事だ。対談は23日午前、ソウル獎忠洞(チャンチュンドン)の新羅ホテルで行われた。
--安倍晋三首相が8月15日、日本の「戦没者追悼式」でアジアの被害者に対する反省と哀悼の意を表明しなかった。
添谷氏=「あれは国内政治用だ。安倍首相の立場としては靖国神社に参拝しないこと自体が十分なメッセージであり、その意味が(韓国に)よく伝わったと思う。韓国の立場では全くそうではないとしてもだ。安倍首相は自身のナショナリズムのために隣国に本人の立場を説明する必要を感じてはいない。靖国参拝をしないことにしたのは安倍氏個人としては大変な決定であっただろう。それでも首相という役割を勘案して自らバランスをとった判断だった。彼の演説は、靖国参拝問題に関した不満勢力を抑えるためだ」
申氏=「1990年代以降、日本政府が歴史問題を再認識するために努力してきたのは事実だ。しかし今日、日本政府は過去の努力に逆らう姿を見せている。韓国人はこの点が不満だ。韓国が望むのは、日本が今まで取ってきた(反省の)立場を翻意せずに過去の歴史の解決姿勢を積極的に見せることだ」
添谷氏=「日本国内では90年代に行われた反省の姿勢を継承するのが正しいと考える政治家が多い。だが、その反対に考える政治家も多い。安倍政権になって90年代の反省の姿勢に不満を持つ政治家たちが中枢に立つことになった。今(日本の内閣で)起きている現象を日本国民全体に拡大するのは問題だ。韓国はそんなふうに解釈しているが、私はないと見ている。安倍氏個人の指向を日本全体のことと認識すべきではない。韓国側がこのような形で解釈して対応すれば、日本国民の反発を買うことになる。結果的に日本国民は『自分たちの政府が話している通りだ』と考えるようになる可能性もある」
申氏=「日本国民全体が、安倍政権の極端な姿に同意しているとは思わない。ただし閣僚や政治家たちの言動は影響力が大きく、慎重を期すべきだ。90年代の日本政府が見せた努力の延長線上にいるべきだ」
添谷氏=「韓国が日本の右傾化をどれくらい問題視して憂慮しているか、日本が認識できないのも問題だ。日本政府はこうした歴史認識自体が韓日関係に否定的になるということを知るべきだ」
--東アジア指導者の外交リーダーシップは、どのような方向に進むべきか。
添谷氏=「韓日中のリーダーは皆、国内政治と世論の担保だ。現状況では彼らに何かを期待するのは難しい。したがって韓日首脳会談が近く開かれることも容易ではない。しかし自由貿易協定(FTA)議論やそのほかの交流は続いている。こんな時は首脳たちは静かに対応するのが良い」
申氏=「日本では韓日会談が必要だとしながらも自分たちの行動がどんな問題を起こすのか理解できていない。まず政治ではない文化など他分野で交流することが重要だ。韓日中どれもナショナリズムが蔓延した状況で、指導者は言動に特に注意しなければならない。とても大きな目標を提示するより、可能な努力を少しずつ行うことが重要だ」
(中央SUNDAY第337号)
知韓派と知日派が話す、韓日関係の解決法(2)
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