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【コラム】日本の再武装、韓国の核をそそのかす

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
第2次世界大戦中だった1942年2月、米国政府はドイツ人に向けて「米国の声(VOA=Voice of America)」放送を開始した。最初はドイツ語で制作され、英BBCで放送した。南北戦争当時に登場した荘厳な北軍の軍歌が流れた後、アンカーは簡単なオープニングコメントで歴史的な放送を始めた。「戦争に関連したニュースは私たちにとって良いケースも悪いケースもあるが、皆さんに真実だけを話す」と。その後、VOAは戦況中継と同時に、ドイツ国民とナチス政権を切り離す高度な心理戦を繰り広げ、大きな成果を出した。

ここで目を引くのは、VOAがナチス政権に対する批判にとどまらなかったという点だ。VOAは米軍の勝利がドイツ人にどんな恩恵を与えるのかを知らせるのに注力した。非難ではなく説得の戦法を選択したのだ。

最近、日本が露骨な軍国主義の動きを見せるにつれ、韓国と中国が激しく反発している。それでも「集団的自衛権」行使を合憲に変えようとする安倍晋三首相の立場は一貫している。日本の再武装も次々と実現する勢いだ。防御中心の戦略では不必要な海兵隊創設ニュースが出てきた。最先端MV22垂直離着陸機、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に転換されるイプシロンロケットの導入の話も聞こえる。誰が何と言おうと、隣接国としては軍事的な脅威にしか見えない。


それでも米国は日本の軍備強化を両手をあげて歓迎する。前回の大統領選挙当時に共和党の大統領候補だったジョン・マケイン上院議員は21日、日本を訪問し、「集団的自衛権行使を支持する」と公言した。ワシントンの知韓派の人たちでさえも「韓国は日本の軍事力強化を心配する必要はない」という趣旨で米メディアに寄稿している。

最近、米国では海軍を中心に「前衛同盟戦略(Forward Partnership Strategy)」が深く議論されているという。今は世界警察国家の役割を捨て、遠く離れた戦略的同盟国の力を育て、その軍事力で米国の国益を守ろうという論理だ。もちろん劣悪な財政で大幅に国防費が削減されて始まった苦肉の策かもしれない。こうした時に日本が自分のお金で再武装するというのだから、米国の立場では喜ばしいことだ。米国としては中国を牽制するのに日本ほどのパートナーもいない。

しかし新しく導入した日本のミサイルが中国だけに飛ぶという保証はどこにもない。過去の壬辰倭乱(文禄の役)に続き、日帝36年間にわたり日本軍の銃刀に踏みにじられた韓国としては、当時の悪夢を思い出すのが普通だ。東アジアの歴史をよく知らない多くの米国人には対岸の火だろう。

国内のある報道機関の日本再武装ニュースの下にいくつかのコメントが付いた。その中で最も共感を得たコメントの核心はこうだ。「私たちの安危のための核武装の正当性が今はさらに高まっった」。日本の軍国主義化は必然的に韓中両国の軍事力強化を招くことになる。結局、東アジア軍備競争を触発するのは時間の問題だ。

最近、韓中間で軍幹部の交流は蜜月関係といってもよい状況だ。韓中国防相会談は定例化して久しい。韓国軍幹部の相当数は、北朝鮮の挑発を防ぐためには中国軍部が動くべきだという信念を持っている。一方、韓日間の軍交流は微々たるものにすぎない。こうした状況で、日本の再武装は韓国軍の中国接近を加速させる可能性が高い。

安倍首相は集団的自衛権行使のために改憲を急ぐが、多くの日本人は疑問を表している。最近、日本のテレビ討論では「米国が保護してほしいと言ったこともなく、安保条約上の義務条項でもなく、日本が受ける代価も確実でないのに、なぜ改憲するのか」という質問がよく提起されるという。しかし安倍首相の路線に同調する出演者は明確な返答ができない。

こうした状況で韓国の政府・メディア、そして国民全員は、安倍首相の改憲と再武装は結局、日本にはマイナスになるということを一つひとつ説明するべきではないだろうか。安倍政権と日本人に向けて呪いに近い言葉ばかり注いではならないということだ。



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