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【中央時評】米国はなぜ北核対応に失敗したのか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
次に「集団思考(group thinking)の罠」も米国の対北朝鮮政策の失敗に大きく作用した。相手に関する情報を分析・評価し、望ましい外交安保政策を樹立するうえで必須となる徳性の一つが、画一的思考の排除を通じた多様な見解の受け入れだ。しかし北朝鮮に対しては、硬直した集団思考が米国の政策決定過程を支配してきた。「北朝鮮の核問題の本質は体制の性格にあるため、北朝鮮は決して核を放棄しないだろう」「罪と罰の原則に基づく強力な報復だけが代案」「非核化なしに平和体制や関係正常化はない」。こうした観点がワシントンの主流思考として定着し、反論や異なる意見は立つ瀬を失った。

こうしたことが繰り返され、「北朝鮮の考えを把握してこそ代案を準備できる」という見解を持った地域専門家は中心から追い出された。その代わり北朝鮮をよく知らない米国外交政策専門家と大量破壊兵器拡散専門家が声を高めて世論を主導した。結局、未熟な一般論が状況を悪化させたのだ。

最後に、最も決定的な問題は政策の優先順位だった。過去20年間、米政府は北朝鮮の核問題を主要懸案として扱うように見せてきたが、実際には優先順位から大きく外れていた。1994年5月まで寧辺核施設に対する精密打撃を計画するほど北朝鮮の核問題を最優先課題として扱ったクリントン政権は、同年10月にジュネーブ合意が妥結したことで、これを後まわしにした。ブッシュ政権も同じだ。02年10月に高濃縮ウラン問題が浮上した当時も「レッドライン」を設定し、すぐにも軍事的行動を取るかのような姿勢を見せたが、03年3月のイラク侵攻を契機に現状維持政策に転換した。オバマ政権はどうか。イラク・アフガニスタン・イラン問題などに集中し、北朝鮮問題は「戦略的忍耐」という美名の下で関心の外に押し出された。


もう米国も謙虚、正直にならなければならない。悪人を悪人だと非難するのは誰でもできる。しかし平壌の誤った行動ばかり恨まず、自らの政策的な過ちも省みる必要がある。米国だからといって“無欠点国家”はない。そうしてこそ解決の糸口を見いだせるはずだ。これと関連し、「北朝鮮は生存のための交渉の窓さえも閉める自殺指向的な体制ではない」という李洪九(イ・ホング)元首相の省察を、米国が参考にすることを望む。いかなる場合にも戦争を望まない大韓民国の国民としての言葉だ。

ムン・ジョンイン延世大教授・政治外交学科



【中央時評】米国はなぜ北核対応に失敗したのか(1)

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