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【コラム】韓国の50代、彼らが歌う悲しい歌(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
10年後、彼らは本物の“小さな社長”になった。大卒学歴の貿易商はとにかく飛行機に乗りまくり、どこからかオーダー票を“釣って”来た。増産・輸出・建設の掛け声に青春を捧げた世代だった。コムシン(ゴムでできた履物)を小川の水に浮かべて遊んだ少年たちが世界的な造船産業を興し、糸巻きにぜんまいを巻いて遊んだ子供たちが自動車産業の主役になった世代だった。ところが10年後、不意に襲ったIMF通貨危機で工場閉鎖の憂き目に遭い、軽く見積もって世代構成員の20~30%は職場を離れなければならなかった。どうにか生き残った者はその10年後に職場から追い出された。最近のことだ。平均退職年齢52.7歳、3億ウォンのアパートと1億ウォンの現金を手に、雇用保険も年金もない無所得の絶壁に落ちていく人々が韓国の50代で、そのわびしい自画像だ。

子女の結婚や学費、8年の無所得期間をアパートと退職金で充当しなければならない彼らベビーブーマーたちは、急速に中産層から脱落していっている。「中産層70%」の公約に耳が反応した人々は知っている。子女分家の任務を果した60歳になれば、貧困層として二重申告されているだろう事実のことだ。

貧困層入りを予約した人々にとって、最も切迫しているのは働き口だ。大統領が公約した60歳停年延長はどうしたら可能だろうか?日本の団塊世代の貧困化を阻んだものは、日本政府が推進した「停年延長・雇用維持」戦略だった。日本企業と労働組合は賃金ピーク制とワークシェアリングで快く力を合わせた。雇用促進資金と税制優遇がこの後に従った。


退職しなければならない60歳以上のベテラン職員を半分の賃金で雇った企業が全体の60%を越える。日本は“中産層の救済”をそれほどまでして行った。25年働いたサラリーマンをとにかく職場から追い出そうとする韓国の現実、職場に別れを告げて家に帰って来るベビーブーマーの不安渦巻く心情に街灯のように映ったのは「中産層70%」という公約だ。

歌王のチョ・ヨンピルさんが筆者に手渡してくれた曲に歌詞を付けてみた。冬日が短い夕陽をともなったその時、最初のフレーズが思い浮かんだ。「帰り道に寂しく咲く白い花々/暗くなったその道に寂しく立つ街灯」。そして輝く記憶と胸を高鳴らせていた若かりし時代が脇をかすめていった。「私の青い青春の谷間にはまだ夢であふれ~」を書いている途中で筆をおき、苦い焼酒を引っかけた。退職隊列に転入届けを出す年間100万人のベビーブーマーたち、心の中でむせび泣く人々のためだ。



【コラム】韓国の50代、彼らが歌う悲しい歌(1)

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