「今後、国と国民のために最善を尽くします。以上で私の…」

７日午後、国会の与党セヌリ党（旧ハンナラ党）非常対策委員長室で記者懇談会を終えた朴槿恵（パク・クンヘ）委員長の目には涙があふれた。朴委員長は懇談会で、「今回の総選挙で地方区から出馬しないことを決めた」と宣言した。

しかし不出馬を宣言した後に感情が込み上げたのか、最後の言葉はまともに締めくくることができなかった。この日地元の達城郡（タルソングン）の住民６人は地域住民の意見をとりまとめて朴委員長を訪ね、「残念で寂しいが、大きなことをするのに私たちが障害になってはいけない」として地方区不出馬への意見を伝えた。朴委員長は彼らとの面談と見送り、記者懇談会で３度も涙を流した。


朴委員長は１９９８年に大邱（テグ）達城郡（タルソングン）の補欠選挙で当選し、その後同区で４選を果たした。朴委員長は地方区に格別に強い愛着を見せた。党が危機に陥った状況で非常対策委員長という重責を務め総選挙を陣頭指揮しなければならないだけに、地方区出馬はあきらめなければならないという党内外からの要求にも容易に決定できないほどだった。

朴委員長は不出馬の決心を説明し、「決断」という表現も使った。「地域住民のみなさんが地方区を超え、より大きな政治に献身するようにと言うので地域住民の意に基づきより大きな政治に身を捧げることを決断した」と述べた。

朴委員長にとって地方区がなぜ格別な意味があるのかは、「９７年の通貨危機を迎え私を政治に入門させた政治的故郷が達城郡」という言葉で説明した。

朴委員長は比例代表から出馬については「党と相談する」として明確な立場を示さなかった。しかしこの日の面談で地域住民が、「地方区から出馬しなくても地域懸案のために比例代表は必ずしてほしい」と要請したことは、朴委員長の比例代表出馬に重きを置かせる。

比例代表候補名簿で２０番以後に配置された場合、朴委員長支持者が朴委員長を議員に当選させるために投票場に出てくるだろうという戦略からだ。