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【社説】韓国社会、ノーベル科学賞より急ぐべきことは…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2012学年度ソウル大随時募集に最年少で合格した科学英才が理工系学科を放棄し、他大学の歯科大に進学した。 ソウル大理工系に合格した別の学生の保護者は、息子を医大に送るとして合格の取り消しを要求した。 理工系危機がどれほど深刻かをよく表している例だ。

理工系離れは昨今のことではない。 数年前にはポステック(浦項工科大学)の首席卒業者が医科大に編入し、大きな波紋を起こした。 地方医科大入学生の大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)の点数が、ソウル名門大の理工系入学生の点数を上回って久しい。 これまで何度も理工系危機論が台頭したが、理工系離れは少しも改善されていない。 今回も最年少合格生は「より安定的な未来を選択する」として歯科大に移った。 数年前にポステックの卒業生が「理工系の博士学位を取得しながらも未来を心配しなければならない現実がつらくて医科大に行く」と述べたのと同じだ。

医科が理工系より重要でないというわけではない。 医療は高付加価値サービスであり、バイオなど医療産業は未来を支える産業だ。 有能な人材が集まらなければならない。 ただ、医科大に集中する現象が強すぎるという問題だ。 製造業中心の国家発展の土台が崩れないか懸念される。


そうでなくとも韓国製造業は危機を迎えている。 中国の追撃が激しいうえ、これを打開する創意的な革新は不足している。 科学技術に基づいた製造業の革新が急がれるということだ。 そのためには多くの優秀な人材が理工系に進学する必要がある。 ‘ミスター半導体’と呼ばれる黄昌圭(ファン・チャンギュ)元サムスン電子社長は「医科大に進学しろという家族の勧めを拒否して電気工学科を選んだ」と語ったことがある。 韓国製造業の神話が可能だったのも、黄社長のような優秀な人材が1960-70年代に理工系に多数進学したことによる影響が大きい。

医科大に進学する若者のチャレンジ精神不足のせいにすることでもない。 こうした社会構造を作ったのは上の世代だ。 青年が理工系進学を好むような環境づくりが急がれる。 言葉だけでなく実践しなければならない。 ノーベル科学賞よりも「理工系に進みやすい環境」をつくるのが先だ。



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