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【社説】「物価状況、非常によくない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国が主に輸入しているドバイ原油価格が1バレル100ドルを超えてからもとどまる兆しが見えない。 事実上内戦状態に陥ったリビアが原油輸出を中断し、スーパースパイク(Super Spike:原油価格の長期急騰勢)がまた目の前の現実として迫っている。 3年前の08年7月、米国産標準油種(WTI)が147.50ドルまで上がった悪夢が再現される雰囲気だ。 石油輸出国機構(OPEC)で生産国8位のリビアは、今回の騒乱で一日の原油生産量が20%以上減少した。

サウジアラビア石油相が「リビアの減少分だけ生産を増やす」と明らかにし、国際エネルギー機関(IEA)が石油備蓄分を放出する動きを見せたが、不安心理を解消できるかどうかは疑問だ。 リビア事態はエジプト・チュニジアとは次元が違う。 部族紛争に発展すれば、事態は長期化する公算が大きい。 さらに中東地域の政情不安は最大産油国のサウジアラビアとイランまでも脅かしている。 国際原油価格は些細な突発事態でも急騰しやすく、目の前のことも予想するのが難しい。

昨日、尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官が「物価をめぐる国内外の環境が非常に非友好的」と述べた。 当然の危機意識だ。 原油価格だけでなく、あちこちで韓国経済を脅かす要因が突出している。 トウモロコシ・砂糖・銅などの必需原材料のほか、コーヒー・ココアまでが年初に比べて2けたの価格上昇率となり、物価上昇圧力となっている。 中国の人件費急騰と人民元切り上げで中国発の物価上昇‘チャイナフレーション’までが韓国を襲っている。 輸入物価の上昇とチャイナフレーションは1-3カ月の時差で国内物価にそのまま反映される。


韓国は国際原油価格が10%上がれば、経済成長率が0.3%落ち、物価は0.68%上昇する構造だ。 今年の5%成長と3%物価目標に赤信号が灯るしかない。 安全資産を好む心理も韓国経済を苦しめる要因だ。 昨年押し寄せた海外資本が先進国に撤収し、株式市場と外国為替市場にも影響が出ている。

危機状況に対処するには当然、非常な措置が必要だ。 まず油類税の引き下げから検討しなければならない。 こういう時に動員するために作った装置が30%まで調整可能な油類弾力税率だ。 政府は08年にも一時的に油類税を10%引き下げている。 必需原材料に対する政府備蓄分も増やす必要がある。 現在60日分に一律的に規定された備蓄目標量を現実に合わせて再調整する必要がある。 国際強調もいつよりも切実だ。 主要20カ国・地域(G20)を中心に国際市場をかく乱する投機的取引を抑制する流れに、積極的に賛同しなければならないだろう。

今の費用上昇(cost-push)型インフレは最も対処しにくい課題だ。 海外不安が落ち着くまで政府・企業・家計が各自対処するしかない。 企業はコスト削減と非価格競争力を高め、家計は浪費要因を減らして緊縮しなければならない。 幸い、私たちは過去にも外部からの津波を乗り越えた経験がある。 もう一度、私たちの危機意識を点検する時だ。



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