国家保安法違反容疑で有罪が認められた5人のうち4人は執行猶予を受けていることが明らかになった。中央日報が09年に国家保安法違反のため一審で有罪判決が下された32人の判決文を分析した結果、78%の25人に執行猶予が言い渡されていたことが分かった。こうした執行猶予比率は1990年代の50%台に比べてかなり高くなっている。特に反国家団体称揚・鼓舞罪などで起訴されたケースの大半が執行猶予を受けている。
最近、北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)攻撃を称賛するコメントをインターネットに載せた容疑などで警察の捜査を受けているインターネットコミュニティー「サイバー民族防衛司令部」の運営者‘ファン・キルギョン’(オンライン筆名)がその代表例だ。取材の結果、‘ファン・キルギョン’は42歳の会社員で、現在、国家保安法違反容疑で最高裁で裁判中であることが確認された。
ファン・キルギョンは08年6月から「サイバー民族防衛司令部」を運営し、北朝鮮の核・ミサイル開発と先軍政治を称賛・美化する内容の利敵表現物を作成・掲示してきた疑い。しかし昨年12月、仁川(インチョン)地裁はファン・キルギョンに懲役1年、執行猶予2年を言い渡し、控訴審もこの刑量を維持した。「自身の過ちを反省せず、再犯の危険性がないわけではないが、国家の存立と安全を危うくする具体的な行動にまでは進んでいない」という理由だった。
ファン・キルギョンは先月の延坪島攻撃直後、「北方限界線(NLL)に対して明確な立場を武力で確認した事件です。金正恩(キム・ジョンウン)大将様がなさっています」というコメントを載せた。裁判所が再犯の可能性を認めながらも執行猶予で釈放し、その結果、社会の混乱をあおる機会が生じたのだ。
また▽北朝鮮保衛部の指示に基づき脱北者家族を北に引き渡した中国の同胞▽金日成(キム・イルソン)親子を称賛する内容の資料集を制作・頒布した教師▽中国瀋陽の北朝鮮総領事館に入り越北経緯書を作成した人も執行猶予を受けた。
検察の関係者は「最高裁が利敵性の範囲を狭く解釈し、一線裁判所の量刑(刑量決定)にも影響を及ぼしている」と話した。しかしソウル地域のある判事は「民主化で韓国の社会が包容できる思想と表現の自由が幅広くなっているのは、むしろ健全な国家体制を立証するものだ」と述べた。
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ファン・キルギョンは08年6月から「サイバー民族防衛司令部」を運営し、北朝鮮の核・ミサイル開発と先軍政治を称賛・美化する内容の利敵表現物を作成・掲示してきた疑い。しかし昨年12月、仁川(インチョン)地裁はファン・キルギョンに懲役1年、執行猶予2年を言い渡し、控訴審もこの刑量を維持した。「自身の過ちを反省せず、再犯の危険性がないわけではないが、国家の存立と安全を危うくする具体的な行動にまでは進んでいない」という理由だった。
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