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これまで‘朝型人間’として生きてきた李明博氏は「公務員は国民の作男なので国民よりも先に起きて働かなければならない」という持論を繰り広げた。 「公務員らが一時間早く起きれば国民は一時間楽になる」ということだった。 当時は実に新鮮に感じられた。国民は「ようやくきちんと仕事をする大統領を選んだな」と安堵した。 月火水木金金金、週末も休まず働くという‘ノーホリデー’宣言もあった。
新政府の発足後、多くの人が大統領をならって朝型人間に変身した。 8時に始まる首席秘書官会議の資料を準備するため、職員らは6時30分にはすでに‘業務三昧境’だ。出退勤時間を惜しもうと都心にオフィステルを借りる青瓦台(チョンワデ、大統領府)職員も増えたという。 前政権のように恋人との密会を楽しむためのものでないことは、誰も疑わない。 青瓦台だけでなく、すべての公職社会が同じように動いた。
勤勉な公務員で埋まった政府はどれほど頼もしいか。 業務過剰で蓄積した疲労が創意的な発想を妨げる、睡眠不足が判断力を鈍らせるという指摘は、老婆心の発露として見なされた。 人生を2倍生きる朝型人間らが作る‘朝型社会’の到来は時代的な要請のように映った。
ところが、ある青瓦台職員の不平は、こういう考えを丸っきり変えさせる。 「青瓦台勤務100日を越えたが、一日も休めなかった。 週末も出退勤時間は平日と変わらない。 青瓦台から夜10時20分に出発する最後の通勤バスに乗る日は、まだ早いほうだ。 妻とも話をする時間がない。 数日前、初めて夕方の時間に親せきに会い世間話をしたが、世論がこれほど悪化していることは全く知らなかった。 問題は私だけなく、青瓦台のすべての人がそうだというところにある」。実際、一日3食をすべて青瓦台構内食堂で済ます職員が多いという。
大統領が指摘した疎通不在の原因がまさにここにあるのはでないか確認してみるべきだ。 仕事に追われ、時間に追われるあまり、国民との疎通が後回しになるというのは話にならないのではないか。 冒頭で例に挙げた参考書には、こういう英語のことわざも出てくる。 「日働いてばかりで遊ばなければ馬鹿に鳴る」(All work and no play makes Jack a dull boy)。
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