李容洙(イ・ヨンス)さん
「日本軍慰安婦問題ICJ付託推進委員会」代表を務めた李容洙さんはこの日ソウルのプレスセンターで記者会見を行い、「日本は1月の韓国裁判所の判決を無視し、むしろ居直って韓国の裁判所が国際法に違反したと言い張っている」ともした。1月8日にソウル中央地裁はペ・チュンヒさん(故人)ら慰安婦被害者12人の損害賠償請求訴訟に対し勝訴の判決を下した。
日本国内では国際法上の主権免除論を掲げて「韓国の判決は国際法違反」としながらICJに提訴しようという声が出ている。ICJは国連憲章に規定された司法機関で、韓国と日本を含む加盟国はICJの判決に従う義務がある。
李容洙さんは「切迫した気持ちだ。もう時間がない。年齢も多く(他の)おばあさんに『いままでおまえは何をしてきたのか』と言われれば返す言葉がない。いままで黙々とやってきたが、何も進展がない。大統領が(立ち上がって)国際法で判決を受けてほしいというのが私の最後の願い」と話した。
続けて「お金をくれということではない。完全な認定と謝罪を受けなければならない。国際司法裁判所で公正な判断を受け、完全な解決をし、両国間が敵同士とならず親しく過ごしたら良いだろう」とした。李容洙さんは日本の菅義偉首相に向けても「罪は憎いが、人は憎まなかった。一緒に国際裁判所に行き真っすぐ明らかにしよう」と話した。
推進委員会の一員である延世(ヨンセ)大学法学研究院のシン・ヒソク博士はICJへの付託の意味について「裁判で当時の日本の行為が国際法上の戦争犯罪に該当するという判決が下されることになれば法的責任が発生する。被害者が本質的に望む、日本の不法性を確認できる契機になることができる」とした。その上で「ICJの長所は裁判手続きが透明に進められるという点。現在ICJには日本人裁判官が1人いるので反対する名分はもっとない」と付け加えた。これに先立ち推進委は旧正月前に女性家族部など公式的なチャンネルを通じて大統領にこうした意思を伝えたという。
この日の記者会見では最近「李容洙は旧日本軍慰安婦犠牲者ではなく平凡な売春婦だった可能性が高い」というある極右性向メディアの主張と関連した質問も出てきた。李容洙さんは「生き証人が生きているではないか」と反論した。また、このメディアがハーバード大学教授陣と学生らに李容洙さんの証言を「拒否せよ」「取り消せ」という内容のメールを送ったことに対しても「取り消せない」と話した。
李容洙さんは17日にハーバード大学アジア太平洋法学部学生会(APALSA)が旧日本軍慰安婦被害者を自発的売春婦だと規定したジョン・マーク・ラムザイヤー教授の歴史歪曲を正すために開くオンラインセミナーで自身の被害を証言する予定だ。
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