結局、板門店宣言以降、北朝鮮の通常兵器による軍事挑発はなかったが、核ミサイルの脅威は現実になった。文大統領の努力にもかかわらず、北朝鮮に核兵器という大きな問題を膨らませた。このため北朝鮮非核化交渉が完全に決裂すれば、韓半島は過去のいつよりも深刻な危機を迎えると予想される。米国の対北朝鮮軍事オプション使用はさらに難しくなる。2017年にはまだ北朝鮮の核兵器は心配にならなかった。しかし今は北朝鮮の核ミサイルを序盤に完全に除去するという担保がなければ、トランプ大統領が軍事オプションにサインするのが難しくなった。
このような状況で安全保障態勢は完ぺきなのだろうか。性急な判断かもしれないが、信頼できない。昨年の9・19南北軍事合意に基づき南北は非武装地帯(DMZ)のGPを10カ所ずつ爆破した。このためDMZに残っているGPは南側が60カ所、北側が160カ所と、その差はさらに広がった。有事の際のリスク負担が高まった。北朝鮮軍に対する韓国軍の前方空中偵察も大きく制限された。北朝鮮軍の動向を観察するのが難しい。時間が過ぎて蓄積されれば情報の穴だ。前方で砲兵実射撃訓練をすることができず、韓国軍の実戦的戦闘力が低下している。一方、北朝鮮は冬に100万人以上を動員した冬季訓練を以前と同じように実施した。北朝鮮は軍事信頼構築に重要な南北軍事共同委員会の構成にも応じていない。
韓米連合戦闘力の低下はさらに大きな問題だ。昨年8月に乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習を省略し、今年3月にはキー・リゾルブ(KR)演習までも防御中心の訓練に縮小した。UFG演習は北朝鮮軍の南侵に対応した連合訓練であり、KR演習は米軍の韓半島増援訓練だ。また、今年4月のトクスリ(FE)演習は軍団級から大隊級以下に縮小した。米ステルス機が参加するため北朝鮮が最も恐れる空軍ビジラントエース演習(昨年12月)はせず、マックスサンダー演習(今年5月)も名称をなくして縮小した。柳済昇(リュ・ジェスン)元国防部政策室長は「北核と通常兵器の脅威はそのまま」とし「一日も早く連合訓練を復元する必要がある」と指摘した。
さらに戦時作戦統制権の転換で同盟弛緩が加速している。文大統領の任期中に戦作権の転換を終えるという立場だ。米国はやむを得ず受け入れる雰囲気だ。韓国軍が戦作権を取り戻すのはよいが、危機の局面で韓米が別々になり、連合戦闘力の発揮に問題が多い。韓日関係も反日感情をあおって悪化の一途だ。日本は今年の外交青書に韓日関係が「非常に厳しい状況に直面した」と記述した。日本は韓半島有事の際、日本にある国連軍司令部の後方基地を通じて韓国を支援する。韓国軍自体も期数を超える軍首脳部の交代で経験がある将官の多くを送り出した。有事の際の任務遂行にクエスチョンマークがつく。
現政権の北朝鮮非核化成績は、授業には熱心だったが中間試験が良くない。結局、北朝鮮が非核化を拒否すれば「F」成績を受ける。最悪の状況で落第を免れるためにも外交・安全保障を全面的に見直す必要がある。
壬辰倭乱(1592年文禄の役)直前に朝鮮通信使として日本に行った黄允吉(ファン・ユンギル)と金誠一(キム・ソンイル)は宣祖(ソンジョ)に異なる報告をした。しかし宣祖は「外敵の侵入はない」という金誠一の言葉を信じ、結局、全国土が蹂りんされた。宣祖のように気楽な選択をしてはいけない。国防白書(2018)にある「外部の侵略(戦争)を抑止し(安全を保障し)、抑止に失敗すれば戦争で早期に勝利する」という戦略目標を忘れてはいけない。
<Mr.ミリタリー>韓半島の銃声は消えたが、北核の脅威は現実化(1)
このような状況で安全保障態勢は完ぺきなのだろうか。性急な判断かもしれないが、信頼できない。昨年の9・19南北軍事合意に基づき南北は非武装地帯(DMZ)のGPを10カ所ずつ爆破した。このためDMZに残っているGPは南側が60カ所、北側が160カ所と、その差はさらに広がった。有事の際のリスク負担が高まった。北朝鮮軍に対する韓国軍の前方空中偵察も大きく制限された。北朝鮮軍の動向を観察するのが難しい。時間が過ぎて蓄積されれば情報の穴だ。前方で砲兵実射撃訓練をすることができず、韓国軍の実戦的戦闘力が低下している。一方、北朝鮮は冬に100万人以上を動員した冬季訓練を以前と同じように実施した。北朝鮮は軍事信頼構築に重要な南北軍事共同委員会の構成にも応じていない。
韓米連合戦闘力の低下はさらに大きな問題だ。昨年8月に乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習を省略し、今年3月にはキー・リゾルブ(KR)演習までも防御中心の訓練に縮小した。UFG演習は北朝鮮軍の南侵に対応した連合訓練であり、KR演習は米軍の韓半島増援訓練だ。また、今年4月のトクスリ(FE)演習は軍団級から大隊級以下に縮小した。米ステルス機が参加するため北朝鮮が最も恐れる空軍ビジラントエース演習(昨年12月)はせず、マックスサンダー演習(今年5月)も名称をなくして縮小した。柳済昇(リュ・ジェスン)元国防部政策室長は「北核と通常兵器の脅威はそのまま」とし「一日も早く連合訓練を復元する必要がある」と指摘した。
さらに戦時作戦統制権の転換で同盟弛緩が加速している。文大統領の任期中に戦作権の転換を終えるという立場だ。米国はやむを得ず受け入れる雰囲気だ。韓国軍が戦作権を取り戻すのはよいが、危機の局面で韓米が別々になり、連合戦闘力の発揮に問題が多い。韓日関係も反日感情をあおって悪化の一途だ。日本は今年の外交青書に韓日関係が「非常に厳しい状況に直面した」と記述した。日本は韓半島有事の際、日本にある国連軍司令部の後方基地を通じて韓国を支援する。韓国軍自体も期数を超える軍首脳部の交代で経験がある将官の多くを送り出した。有事の際の任務遂行にクエスチョンマークがつく。
現政権の北朝鮮非核化成績は、授業には熱心だったが中間試験が良くない。結局、北朝鮮が非核化を拒否すれば「F」成績を受ける。最悪の状況で落第を免れるためにも外交・安全保障を全面的に見直す必要がある。
壬辰倭乱(1592年文禄の役)直前に朝鮮通信使として日本に行った黄允吉(ファン・ユンギル)と金誠一(キム・ソンイル)は宣祖(ソンジョ)に異なる報告をした。しかし宣祖は「外敵の侵入はない」という金誠一の言葉を信じ、結局、全国土が蹂りんされた。宣祖のように気楽な選択をしてはいけない。国防白書(2018)にある「外部の侵略(戦争)を抑止し(安全を保障し)、抑止に失敗すれば戦争で早期に勝利する」という戦略目標を忘れてはいけない。
<Mr.ミリタリー>韓半島の銃声は消えたが、北核の脅威は現実化(1)
この記事を読んで…