韓国の参鶏湯からインスピレーションを受けて作られたチキン料理「傳タッキー」。(写真提供=ウェスティン朝鮮ホテル)
「韓国のシェフがまず来て、彼らの紹介で来る人が多い。韓国の人々は食べることが好きなようだ。熱心に食べてくれるが、その姿を見るとうれしくなる」
--料理人になったきっかけは。
「母親が家で作ってくれる料理が本当においしかった。今でも私は母親ほどおいしい料理を作ることができない。母親が私のことを考えてくれる気持ちと信念が秘訣ではないだろうか。料理をする時、いつも母親のようにお客さまのことを考えようと努めている。おまかせはシェフに一任するコース料理だが、自分勝手に料理を出すことはない。傳に決まったメニューがないのもこのためだ。同じお客さまが同じコースを味わうことがないように、お客さまによってメニューを変える。2~3日前の予約名簿を見て、予約されたお客さまが以前どのようなメニューを食べたのか、量はどうだったかなどを悩む」
--ミシュラン、ワールド50等でどれも華々しい成績を収めた。
「ミシュランは食材とこれで作った料理自体に集中して評価をつけているようだ。面、アジア・ワールド50は料理の新しさとレストランの雰囲気を重要視する。傳は楽しくカジュアル。通常、日本料理店は厳粛な雰囲気だが、私はお客さまと楽しく絶えず話をしている」
--最も関心がある食材は。
「昔からキノコが好きだった。最近もきのこ狩りのために富士山に自ら赴く。さまざまな国の材料を使ってみようと努力しているが、韓国の食材料ではコウライケツギョが気になっている。とても美しいが味はどうなのか、ぜひ使ってみたい」
--今後の計画は。
「各国のシェフと交流しながら日本の食文化を広く伝えていきたい。傳には現在、3人の韓国人シェフがいる。女性シェフも多く養成したい。日本料理店には女性シェフが少ないが、傳は半分が女性なのもこのためだ」
日本ミシュランスターシェフ、「韓国の参鶏湯」にハマる(1)
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