現政府の日本への態度を見ると、あたかも韓国に敵対的な国家や、関係を断絶しても問題のない煩わしい隣国のように感じられる。日本が韓国の安全と繁栄の安全弁という考えは読み取れない。韓半島(朝鮮半島)の平和と地域安定のためにも日本との友好的関係の維持は必須なのに、韓国は植民地時代の歴史的被害意識のために戦後の日本の戦略的価値を適切に評価できずにいる。韓半島の平和と安定のためには韓米同盟のように韓日の協力は死活的に重要だ。日本を遠ざけるのは北朝鮮には得になるが韓国の得にはならない。
◆安保のための韓日協力の重要性=金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は4日、短距離弾道ミサイル発射後に「強力な力によってのみ平和と安全が保障される」と述べた。むしろ韓国に適した発言だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足以来韓半島の平和構築に注力しているが、強固な安保と力は韓半島の平和を維持する根幹だ。多くの韓国人は韓米同盟さえ丈夫ならば韓国の安保に問題がないと考えるが、韓半島の有事の際には日本も非常に重要な役割を担う。日本は韓国安保のリンチピン(linchpin、要)であり安全弁だ。
韓国の安保のためには韓国軍はもちろんのこと、在韓米軍と韓国軍を結合する韓米連合司令部、そして在韓米軍と駐日米軍を連係する国連司令部を含む総体的戦力の動員が避けられない。国連司令部は韓日間の中心的連結の輪であり、これにより日本にある7カ所の国連司令部後方基地にある安保資源を動員しなければならない。
韓半島の有事の際に米国本土から来る大規模な増援軍も日本を経てやって来る。食糧および補給品の調達はもちろん、彼らが利用することになる空港・港湾・道路・その他施設などは日本政府と日本自衛隊の後方支援があってはじめて円滑な利用が可能だ。韓半島の平和のための安保資源の総体的稼動は韓日協力を前提とする。韓国防衛のために日本は局外者ではなく安保の安全弁だ。
国連司令部は休戦協定にともなう停戦体制維持に重要な役割があるため停戦を宣言すれば国連司令部の解体につながりかねず、平和協定は連合司令部の解体を避けられないようにするおそれがある。北朝鮮が主張する「韓半島の非核化」とは韓米同盟の解体と在韓米軍撤退を想定したものだと専門家らは指摘する。
「力による平和」に基盤を置く韓国安保を解体するために国連司令部-連合司令部-在韓米軍司令部の順に力を弱めるのが北朝鮮の戦略ではないかと思う。したがって韓日協力、特に安保協力の解体は韓米同盟を弱めるためのベルトコンベアのようなものだ。外勢の排撃は韓国・北朝鮮の軍事均衡を窮極的に北朝鮮にとって有利にするだけだ。
◆北朝鮮の強弱両面戦略=北朝鮮は1990年代以降、自国の安保強化のために戦力面で韓国に対する優位を確保しようとした。具体的に韓半島全域を射程距離とする短距離ミサイルと長射程砲により軍事的均衡を破ろうとした。その後、北朝鮮は98年から日本を射程圏に入れる中距離ミサイル「テポドンミサイル」を試験発射し、2016年からはグアム・ハワイを越え米国本土を射程圏とする大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発に注力した。
更に核兵器を小型化し、ミサイルに搭載すれば北朝鮮を威嚇する攻勢的手段を防げるというのが北朝鮮式の発想だ。韓日安保協力を弱め、北東アジアで韓国の軍事支援体制を無力化させた後、米国本土からの支援体制をICBMと核の脅威で防ぐという「攻撃的防御戦略」だ。
北朝鮮は核を放棄する意志は持たず各種条件を掲げつつ韓国安保を弱化させる試みを繰り返している。現在の自分たちの経済的生存のために制裁緩和に注力しているが、経済的余力が出てくれば韓半島の平和という名分で停戦宣言を誘導し、国連司令部の解体を試みた後、韓米同盟の絆を弱める方法で平和協定を結ぼうとする公算が大きい。韓国と日本を軍事的に遠ざけた後で、韓米同盟を解体させる手順だ。韓国を米国と日本から引き離せば自分たちが軍事的に優位に立ち、外交的に韓国を日米から引き離して孤立させたり、中国の影響力が更によく効くようにできるという算法だ。
【コラム】反日は北朝鮮ばかり得させ韓国の得にはならない(2)
◆安保のための韓日協力の重要性=金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は4日、短距離弾道ミサイル発射後に「強力な力によってのみ平和と安全が保障される」と述べた。むしろ韓国に適した発言だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足以来韓半島の平和構築に注力しているが、強固な安保と力は韓半島の平和を維持する根幹だ。多くの韓国人は韓米同盟さえ丈夫ならば韓国の安保に問題がないと考えるが、韓半島の有事の際には日本も非常に重要な役割を担う。日本は韓国安保のリンチピン(linchpin、要)であり安全弁だ。
韓国の安保のためには韓国軍はもちろんのこと、在韓米軍と韓国軍を結合する韓米連合司令部、そして在韓米軍と駐日米軍を連係する国連司令部を含む総体的戦力の動員が避けられない。国連司令部は韓日間の中心的連結の輪であり、これにより日本にある7カ所の国連司令部後方基地にある安保資源を動員しなければならない。
韓半島の有事の際に米国本土から来る大規模な増援軍も日本を経てやって来る。食糧および補給品の調達はもちろん、彼らが利用することになる空港・港湾・道路・その他施設などは日本政府と日本自衛隊の後方支援があってはじめて円滑な利用が可能だ。韓半島の平和のための安保資源の総体的稼動は韓日協力を前提とする。韓国防衛のために日本は局外者ではなく安保の安全弁だ。
国連司令部は休戦協定にともなう停戦体制維持に重要な役割があるため停戦を宣言すれば国連司令部の解体につながりかねず、平和協定は連合司令部の解体を避けられないようにするおそれがある。北朝鮮が主張する「韓半島の非核化」とは韓米同盟の解体と在韓米軍撤退を想定したものだと専門家らは指摘する。
「力による平和」に基盤を置く韓国安保を解体するために国連司令部-連合司令部-在韓米軍司令部の順に力を弱めるのが北朝鮮の戦略ではないかと思う。したがって韓日協力、特に安保協力の解体は韓米同盟を弱めるためのベルトコンベアのようなものだ。外勢の排撃は韓国・北朝鮮の軍事均衡を窮極的に北朝鮮にとって有利にするだけだ。
◆北朝鮮の強弱両面戦略=北朝鮮は1990年代以降、自国の安保強化のために戦力面で韓国に対する優位を確保しようとした。具体的に韓半島全域を射程距離とする短距離ミサイルと長射程砲により軍事的均衡を破ろうとした。その後、北朝鮮は98年から日本を射程圏に入れる中距離ミサイル「テポドンミサイル」を試験発射し、2016年からはグアム・ハワイを越え米国本土を射程圏とする大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発に注力した。
更に核兵器を小型化し、ミサイルに搭載すれば北朝鮮を威嚇する攻勢的手段を防げるというのが北朝鮮式の発想だ。韓日安保協力を弱め、北東アジアで韓国の軍事支援体制を無力化させた後、米国本土からの支援体制をICBMと核の脅威で防ぐという「攻撃的防御戦略」だ。
北朝鮮は核を放棄する意志は持たず各種条件を掲げつつ韓国安保を弱化させる試みを繰り返している。現在の自分たちの経済的生存のために制裁緩和に注力しているが、経済的余力が出てくれば韓半島の平和という名分で停戦宣言を誘導し、国連司令部の解体を試みた後、韓米同盟の絆を弱める方法で平和協定を結ぼうとする公算が大きい。韓国と日本を軍事的に遠ざけた後で、韓米同盟を解体させる手順だ。韓国を米国と日本から引き離せば自分たちが軍事的に優位に立ち、外交的に韓国を日米から引き離して孤立させたり、中国の影響力が更によく効くようにできるという算法だ。
【コラム】反日は北朝鮮ばかり得させ韓国の得にはならない(2)
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