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「北ミサイルは韓国を狙った脅威…我々の防御網では防げない」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

北朝鮮版イスカンデルミサイルの軌跡をコンピューターシミュレーションで分析した張泳根(チャン・ヨングン)航空大教授は「550キロの重さの核弾頭を搭載すれば韓国全域が射程圏に入る」とし「現在の韓国ミサイル防衛体系では迎撃が難しい」と説明した。

北朝鮮が昨日未明、短距離弾道ミサイル2発を発射した。軍当局は5月4日と9日、先月25日に発射したのと同じ「北朝鮮版イスカンデル」、すなわちKN-23の試験発射の可能性が高いとみている。試験発射が繰り返されるのは実戦配備が近づいているということだ。

KN-23は今まで見てきたものとは全く異なる形態の脅威となる。莫大な予算を投入して構築してきた韓国型ミサイル防衛網を無力化できる新種技術の結集体であるからだ。韓半島(朝鮮半島)に新しい「ゲームチェンジャー」が出現したと評価する専門家もいる。KN-23は果たして迎撃が不可能なのだろうか。では我々はどう対応すべきなのか。北朝鮮のミサイル能力はどのレベルに達しているのだろうか。いくつかの疑問を解くためミサイル専門家の張泳根(チャン・ヨングン)航空大教授に会った。

--トランプ大統領はKN-23を「小さなミサイル」と表現しながら軽視する反応を見せた。韓国国内でも米朝交渉が進展しない状況で北朝鮮が「低強度武力示威」をしたという分析がある。


「米国の人たちが低強度だと表現するのは一理ある言葉だ。自分たちには脅威にならないからだ。しかし韓国の人たちがそのように話してはいけない。KN-23は米国でも日本でもなく、ただ韓国を狙った『高強度』の脅威だ」

--KN-23は探知するのも難しいというが、それは事実か。

「先月25日に北が咸鏡南道虎島(ホド)半島でミサイル2発を発射した当時のことを見てみよう。その日、合同参謀本部は1発目は430キロ飛行し、2発目は正確に把握できなかったという理由で米軍の探知資産で見ると射程距離が690キロだったと明らかにした。しかし翌日には2発とも同じく600キロ飛行したと訂正して発表した。このような混乱が生じるのはミサイルの軌跡を逃したということだ。初期にミサイルが上がる時はグリーンパイン地上レーダーで探知したが、最高頂点を過ぎて降下してくる時は把握できなかったということだ。当然のことだが、まともに探知できなければ迎撃はできない。THAAD(高高度防衛ミサイル)や先端装備を導入して置いても無用だ」

--探知が難しい理由は。

「レーダーは目標物に電磁波を放って戻ってくる反射波を探知するため目標物と一直線上になければいけない。ところで地球は丸いためレーダーが達しない陰影地域があり、物体が空中にある程度上がるまで地上レーダーでは探知できない。低角で発射されるKN-23は一般的な弾道ミサイルに比べてかなり低く飛行する。先月25日に発射されたのは最高高度が50キロであり、31日には30キロだった。その場合、我々が保有するレーダーでは探知が容易でない。たとえ初期に探知したとしても下降段階では『回避機動』をするため探知追跡がさらに難しくなる」

通常の弾道ミサイルは放物線の軌跡を描く。頂点まで上がって重力の影響で降下してくる時も同じだ。このため初期の軌道と速度を探知すれば残りの飛行軌道を予測できる。迎撃はその予測に基づいて行われる。ところが北朝鮮の新型ミサイルKN-23は放物線軌道ではなく不規則な軌道を描いて「回避機動」する。張教授は、朝鮮中央通信が先月26日に前日の試験発射を報道しながら「防御が容易でない戦術誘導弾の低高度滑空跳躍型飛行軌道の特性とその戦闘的威力に満足する」と明らかにした点に注目すべきだ、と述べた。

--滑空跳躍型飛行軌道とは何か。

「KN-23が頂点高度まで上昇して降下しながら、ある瞬間に突然水平飛行をした。航空機がエンジンを停止した状態でも揚力を維持して動く『滑空飛行」と同じだ。このようにすれば射程距離を増やすことができる。120-150キロほど滑空したと分析される。『跳躍』とは水平飛行から突然高度を急上昇(プルアップ)したという意味だ。高度を上げて再び急降下(プルダウン)することでミサイルの速度を高めることができる。ミサイルがそのような形で不規則に動くと迎撃が難しくなる。このような形の回避機動は遠隔調整でするのではなく、事前にコンピュータープログラムに入力された通りに駆動機と翼がミサイルの角度と方向を定めることで可能だ。低高度なのでできる。空気がない大気圏外では翼による方向転換ができない」



「北ミサイルは韓国を狙った脅威…我々の防御網では防げない」(2)


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