10月9日、米国ワシントンD.C.のホワイトハウス・オーバルオフィスで、フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領と会談した際に発言する米国のドナルド・トランプ大統領。[写真 ジム・ワトソン撮影/AFP=聯合ニュース]
受賞者発表を翌日に控えた9日(現地時間)、トランプ大統領は取材陣からノーベル平和賞に関する質問を受け、「歴史上、誰も9カ月の間に8つの戦争を解決したことはなかった」と答えた。これまでイスラエル-イラン、パキスタン-インドなど7つの戦争を終わらせたと発言してきたが、最近のイスラエル-ハマス間のガザ地区停戦合意まで加え、「8つ」と主張したのだ。
さらにトランプ大統領はオバマ氏に言及して「良い大統領ではなかった」とし「我が国を壊すこと以外、何もしていないのに(ノーベル委員会は)賞を与えた」と批判した。昨年10月の大統領選遊説では「もし私の名前がオバマだったら、大統領就任10秒でノーベル賞を受けていただろう」と皮肉を言う場面もあった。
オバマ氏は大統領就任から1年もしないうちにノーベル平和賞候補に名を連ねた。2009年1月20日に就任し、同年10月に「世界の核拡散防止と平和への努力」が認められて受賞者に選ばれた。当時、ノーベル委員会は公式声明で「非核化に対するオバマ氏のビジョンと成果を高く評価する」と説明していた
ノーベル平和賞の候補推薦締切は毎年1月31日で、各国首脳や議会、国際機関などが推薦権を持つ。今年は自国の下院議員の推薦により、トランプ大統領も候補者名簿に含まれている。トランプ大統領の子どもたちは「父が賞を受ける資格があると思うならSNSで広めてほしい」と呼びかけ、ホワイトハウスのSNSにも「平和大統領」と書かれたコメントが投稿されるなど、トランプ陣営は受賞への意欲を隠していない。
ブルームバーグ通信によると、トランプ大統領の発言はノーベル委員会があるノルウェーも緊張させている。現在、米国と関税交渉中のノルウェーとしては、トランプ大統領の受賞が実現しなかった場合、経済的・外交的な損害につながるのではないかと懸念しているという。エスペン・バット・アイデ外相は最近、「政府はノーベル賞の決定に関与していない」と強調した。
これまでノーベル平和賞を受賞した米国大統領は4人いるが、在任中に受賞したのはオバマ氏のみとなっている。ノーベル委員会側は現地メディアとのインタビューで、今年の受賞者はすでに6日に決定していると明らかにした。発表は日本時間で10日午後6時に行われる。
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