[写真 聯合ニュース]
業界によると、LG化学は6月末から電力を直接購入している。電力の直接購入とは、一定規模以上(3万キロボルトアンペア以上)の電気を使う企業が韓国電力を経ずに卸売市場(電力取引所)で電力を調達する方式だ。最小3年以上の契約が原則だ。
業界では電力卸売市場価格(SMP)に網利用料などを加えた価格でも韓国電力の産業用電気料金より安いとみている。通常キロワット時当たり約30ウォンの節減効果があるとされる。3月にはSKアドバンスドも電気委員会にこうした電力直接購入を申請した。公企業である鉄道公社も導入を検討中だ。
これは産業用電気料金が急速に上がり企業の負担が大きくなった余波だ。2022年1-3月期にキロワット時当たり105.5ウォンだった産業用電気料金は今年初めには182.7ウォンに上がった。3年間で73.2%も電気料金が上昇したのだ。
数年にわたり不況に陥っている石油化学業界は電気料金引き下げを要求している。全羅南道(チョンラナムド)と麗水(ヨス)産業団地進出企業は1キロワット時当たり182.7ウォンである現行の電気料金を160~165ウォン水準に2~5年間引き下げることを産業通商資源部と国政企画諮問委員会に要請した。石油化学業界関係者は「通常電気料金が占める割合は総原価の約3~10%と推定される」とした。
中小企業の事情はさらに深刻だ。創業50年の消しゴム製造会社のA社は高くなった電気料金に専門コンサルティング業者から「減免コンサルティング」まで受けた。消しゴムの原料を配合し抜き出す圧出工程での電気使用が多いためだ。
折り曲げ・切断・溶接を専門にするB社は不況で昨年10億ウォン以上の営業赤字を出した。しかし毎月の電気料金だけで5000万ウォン水準に上る。
B社関係者は「人件費のため最大負荷料金(時間当たり221ウォン)が課される昼間の時間帯に多く操業するため負担がより大きい」と話す。
鉄鋼業界も状況は変わらない。電気料金の割合100%である東国製鋼は昨年電気料金だけで2998億ウォンを使った。今年上半期も約1500億ウォンが電気料金として支出されたと推定される。電気料金を節約するために仁川(インチョン)工場の昼間の稼動を減らし夜間操業を拡大したが、結局今月末から会社創立後で初めて1カ月間の工場シャットダウンに入る。この工場は年間に鉄筋220万トンを生産する韓国最大規模の鉄筋生産基地だ。
業界では産業用電気料金の賦課方式自体を根本的に変えるべきと主張する。韓国経営者総協会が3月に実施したアンケート調査によると、企業の63%が季節別・時間帯別料金制を実際の需要に合わせて調整する必要があると答えた。
大韓商工会議所の崔泰源(チェ・テウォン)会長も18日のフォーラムで地域間の電気料金差等制導入の必要性を提起した。発電所周辺地域は電気を安く使い、遠く離れた首都圏は高くすべきという趣旨だ。
ソウル科学技術大学未来エネルギー融合学科のユ・スンフン教授は「産業用電気は韓国電力の立場でも原価回収率が100%を超える構造。国際原油価格など発電燃料の価格変動に基づいて電気料金を調整する燃料費連動制を産業用に適用しなければならない」と話した。
この記事を読んで…